2018 年 2018 巻 69 号 p. 168-172
宮城県内の園芸作物圃場から採取したミカンキイロアザミウマ,ヒラズハナアザミウマ,ネギアザミウマの3種13個体群の雌成虫を用いて,主要な防除薬剤18剤の殺虫効果を検討した.3種雌成虫に対して高い殺虫効果を示した薬剤はプロチオホス乳剤のみであった.スピノサド水和剤とスピネトラム水和剤はヒラズハナアザミウマ,ネギアザミウマの2種に対しては高い殺虫効果を示したが,ミカンキイロアザミウマに対しては殺虫効果は確認されたものの,効果は高くなかった.それぞれの種で殺虫効果が高かった薬剤は,ミカンキイロアザミウマではマラソン乳剤,ヒラズハナアザミウマではアクリナトリン水和剤,MEP乳剤,マラソン乳剤,ネギアザミウマではシペルメトリン乳剤,シアントラニリプロール水和剤,トルフェンピラド乳剤であった.さらに,ネギアザミウマについてPCR-RFLP法により生殖型を識別したところ,供試4個体群全てで産雄性単為生殖型が確認された.