北日本病害虫研究会報
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リンゴサビダニ卵に対する各種殺虫剤および殺ダニ剤の影響
平山 和幸
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2018 年 2018 巻 69 号 p. 183-185

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抄録

2015年に青森県産業技術センターりんご研究所内のリンゴ樹から採集したリンゴサビダニ個体群に対する殺虫剤21剤および殺ダニ剤7剤の影響を評価した.いずれの殺虫剤も殺卵効果は低かった.ふ化後の影響を含めた補正死亡率では,MEP水和剤およびビフェントリン水和剤は90%以上と影響が大きく,DMTP水和剤,クロルピリホス水和剤,フェンプロパトリン水和剤,シペルメトリン水和剤,スピネトラム水和剤,ピリフルキナゾン水和剤およびフロニカミド水和剤は46.0~59.8%と中程度の影響を示した.他の殺虫剤は0~38.0%と影響が小さいものと考えられた.殺ダニ剤ではピリダベン水和剤およびスピロメシフェン水和剤で補正死卵率72.1~73.5%と殺卵効果が認められたが,他剤では4.7~23.9%と影響は少なかった.ふ化幼虫に対してはシフルメトフェン水和剤のみ影響が小さかったものの,他剤はいずれも影響が大きく,高い補正死亡率を示した.

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© 2018 北日本病害虫研究会
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