2022 年 2022 巻 73 号 p. 126-130
岩手県沿岸南部において,2021年9月に水田内および畦畔ですくい取り調査を行ったところ,9地点中8地点でクモヘリカメムシが確認された.また,同地域から稲穂を採集し斑点米被害を調査したところ,14地点中4地点でクモヘリカメムシによる被害が確認され,斑点米混入率は平均0.02%であった.一方,カスミカメムシ類による被害は,14地点中12地点で確認され,斑点米混入率は平均0.48%であった.本地域における斑点米の主要加害種は従来どおりカスミカメムシ類であるものの,クモヘリカメムシの発生地域は拡大していると考えられた.