2025 年 2025 巻 76 号 p. 41-46
葉いもち発生予察システムBLASTAMによる感染好適条件の判定には気温が使用されているが,BLASTAMシステム作成当時と比べて近年の気温が上昇していることから,葉いもちの感染好適条件の出現時期や回数が変化していないか調査した.調査は福島県内29地点のアメダス観測地点にて,BLASTAMにより判定された感染好適条件出現の初出現日および5~7月の出現回数を1995~2004年,2005~2014年,2015~2024年で比較した.その結果,1995~2004年と比べて初出現日は徐々に早まり,出現回数は2005~2014年,2015~2024年で増加していた.特に2015~2024年では5月中の出現が増加していた.要因として感染好適条件の判定基準のうち,葉の濡れ時間中の平均気温が15~25 °Cであることと,前5日間の日平均気温の平均が20~25 °Cであることを満たす回数の増加が考えられた.また,葉齢進展モデルから,気温上昇に伴い稲の葉齢進展も早まることが想定され,葉いもちの二次伝染が早期化する可能性が考えられた.