北日本病害虫研究会年報
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イネヒメハモグリバエの産卵と加害
湖山 利篤鈴木 忠夫
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1955 年 1955 巻 Special3 号 p. 75-79

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抄録

本報には, イネヒメハモグリバエの圃場における産卵分布と加害状況について, 昭和29年に調査した成績を記録した。その概要は次のとおりである。
1. 稲の垂れ葉に産卵が多く, 卵数の90%はこの葉が選ばれるので, 垂れ葉の多い植付直後の稲苗が本種にとつて最も好ましい産卵対象になるであろう。
2. 1株当りの産卵数頻度分布をみれば, ポリヤ分布によく適合している。
3. 稲苗ではイネハモグリバエは上位葉に, イネヒメハモグリバエはそれよりも下位葉に加害しており, 所謂2種害虫の棲みわけがみとめられた。
4. 移植期の早い稲ほど加害が多く, しかも早期に始まり, 稲の生育停止がみとめられた。

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