昭和29年北海道一円に大発生したイネヒメハモグリバエについて, 同年6月より翌年春季にわたり, 野外において水田及び禾本科雑草上における発生消長, 室内において飼育調査を行い, 従来北海道においてほとんど知られていなかつた本種の生態について多くの新知見を得た。その結果を要約すれば次のとおりである。
1. 越年に関する調査は不充分であるが, 昭和30年春季, 灌漑溝土壌を篩洗して数頭の蛹と蛹殻を発見した。前年秋季調査では禾本科雑草上に幼虫, 蛹いずれも発見できなかつたが, おそらく主として蛹態で越年し, 一部幼虫態で越年するものと考えられる。
2. 越年場所として, a) 禾本科雑草葉内, b) 寄生した葉が枯れて蛹が地中に落下する, c) 秋季老熟幼虫が雑草根際に下りて土中で蛹化するの3つの場合が考えられるが, b), c) の可能性が多いようである。
3. 成虫は4月下旬に羽化し, 禾本科雑草上で1世代を経過し, 第2世代のものが水稲に集中加害する。
4. 昭和29年は, 第2世代の成虫発生期と水稲の移植期が一致し, さらに同時期の低温のため稲苗の活着が不良で, 葉が水面に垂れるものが多く, 成虫の産卵に好適な状態となり, 苗の生育不良と相まつて全滅的な被害を受けた。
5. 第3世代以後は, 水稲より禾本科雑草に移行するものが多く, 水稲の被害はほとんどなくなり, 害虫として問題とならない存在となる。雑草に移行したものが秋季まで5世代を経過することが観察された。
6. 水田より禾本科雑草に移行する原因としては, 稲がその成長に伴い本種の産卵に不適となつたことが第一と考えられる。
7. 以上により年間世代数は, 春季雑草上で1世代水田で1世代, 雑草上で5世代, 計7世代が見られた。一般に少なくとも5～6世代と考える。春季から秋季まで常に各態のものが水田又は灌漑溝等に見られた。
8. 水稲に寄生する期間 (5～7月) における各態期間は, 卵約1週間, 幼虫及び蛹それぞれ2週間, 計約1箇月で, 幼虫の加害最盛期は6月中, 下旬であり昭和29年はこの期間水稲が全滅的な被害を受けた。
9. 以上の他室内飼育により, 各態の経過, 習性について明らかにした。

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秋田県の昭和29年におけるイネヒメハモグリバエの発生経過と越冬に関する調査の結果を総括すれば, 次のとおりである。
1. 掬取調査によつて, 水田における本種成虫の発生の山は, 苗代末期の5月下旬と移植直後の6月中旬と, さらに7月2半旬と5半旬との4回に亘つて発現した。
2. 一方雑草地の掬取りでは, 成虫の山が5月中旬・7月中旬・8月中旬・9月中旬に現われ, 水田のそれと異なつた。
3. 雑草地と水田の双方の発生型から, イネヒメハモグリバエの成虫は1年に7～8回も発生する可能性があると推察した。
4. また本種の室内飼育によつて, 卵から成虫までの発育日数は, 平均気温18℃の場合約27日間であるが, 野外で5～6月に成虫の山がほぼ25日間隔に現われることにほぼ一致した。
5. 室内飼育によつて温度と卵期間の関係をみれば限界最低発育温度は4.2℃であつて,(v-4.2) t=100 (tは卵期間, vは平均気温) によつて示される。
6. 越冬は一部分が蛹態で, 或るものは雑草葉内, 大部分が地上に落下したまま冬を過ごす。しかし一般には老熟した幼虫で, スズメノテツポウ・ヌカボ・マコモ等の葉肉内, 或いは葉鞘内で越冬することを確認した。

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1. 昭和29年に於けるイネヒメハモグリバエの異常発生に当り, 越冬に関する調査を行つたほか, 発生実態やこれまでの知見から異常発生の原因について考察した。
2. 例年発生を認める宮古以南の海岸地帯では, 冬季間も各態が混棲し, しかも絶えず成長を続けているような量的消長が認められた。そうしてこのような環境は湧水地や小川の岸辺で, 常にHost (青葉) が豊富であり, しかも水温により棲息部位は気温よりも高いことが認められた。
3. 冬季間水が切れ, 雑草葉が枯死するような環境での冬季発生は極めて少なく, 又幼虫或は蛹だけしか発見されなかつた。
4. 冬季発生の成虫は低温範囲が広く, 好適した環境下では, 越冬のための休眠現象が認められないように観察された。従つて越冬態も地域により, 又年によつて自ら異つて来るものと思われる。
5. 異常発生の原因としては気象的な因子 (気温) がその主因であつた。即ち冬季の高温と早春の高温は, 越冬密度を高め, そしてその後の虫数を増大せしめる。加えて6月の低温が田水温を低下せしめ, 水田での高温抵抗を抑えて大発生を惹起せしめるものと推察される。
6. 更に近年の慣行である早植及び低温によつて起る苗不足や深水灌漑が産卵を多くし, 被害を助長せしめる因子なつた。

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1. 本報文では上閉伊郡内の狭い地域に於けるイネヒメハモグリバエの発生様相の違いについて述べた。
2. 本田に於て6月中旬には被害は全域に認められたが, 特に沿岸部で甚しかつた。
3. この時期の幼虫の加害は下垂葉からなされるため, 著しく葉数が少なくなつている。従つて草のしげりに対し草ののび方が勝つているという結果になつた。
4. 本田に於て7月中・下旬の被害面積は遠野盆地では6月中旬に比べて20～70%程度で遥かに少なく, 沿岸部は70%以上となつており, 被害場所は前地域では水口とか田植の著しくおくれたところであつたのに反し, 後地域では6月中旬の場合と全く同じであつた。
5. 本田7月中・下旬の幼虫の害相は, 遠野盆地では6月中旬のそれと全く同一であつたが, 沿岸部では草のしげり方が草ののび方に対し遥かに勝つていた。
6. 両地域に於ける被害葉率は, 遠野盆地では寄生率は70%以上の高率であつたが, 沿岸部では30～60%の低率であつた。
7. 遠野盆地で特に水口に多いのは, 水口水温が7月第4半旬まで著しく低温であつたためと考えられる。
8. 沿岸部で上部の葉も加害をうけたのは, 気温が水温に比べて著しく低温であつたためであろうと推測される。

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1. 福島県立農事試験場の水田において, 筆者等が昭和29年イネヒメハモグリバエの発生経過及び加害について2, 3の調査を行つた結果の概要を報告した。
2. 本種は禾本科雑草上で年4～5回の経過を繰返すものと思われる。成虫は早春3月に出現し, 禾本科雑草に産卵, 蕃殖して苗代に飛来する。水稲では苗代期及び本田初期に発生しその加害がみられる。
3. 6～7月における水田での発生経過は, 卵期間5～7日, 幼虫期間12～15日, 蛹期間7日前後で, 1世代に約1箇月を要するものと思われる。
4. 成虫は水面上を浮遊歩行し, 水面浮葉に好んで産卵する。従つて浮葉の多い田植直後及び深水田などでは産卵数が多く, 被害も著しい。
5. 早播, 早植水田に発生多く被害も甚だしいことが認められた。
6. 昭和28～29年の大発生は, 4～6月の気温が平年より低温に経過したこと, さらに従来よりも早播, 早植が行われたことなどによつて, 本種の発生密度を高めたためと思われる。

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1. イネヒメハモグリバエは昭和29年において, 東北6県に全面的な大発生をなした。
2. 早植えをすれば被害を大きくする機会が多いが早植田は必ずしも被害が大きいというわけではない。
3. また被害の多いのは深水灌漑によつて垂れ葉の多くなつたときや, 山間冷涼地であつた。
4. 被害の現われるのは東北地方の南部に始まり, 青森県ではそれがおくれた。
5. 異常発生の年次では, その前年の夏季の最高気温が低く冬季の最低気温が著しく高く, 5～6月の気温、田水温が低いという類似点があつた。
6. 以上の気象条件が夏季における本種の繁殖に適し冬季では越冬率を高め, さらに5月及び6月の低温は稲苗の生育を不良ならしめ, 本田移植時の活着を遅延せしめて, 本種の寄生条件をよくしたことと, 本種の低温適応性と相俟つて, 昭和29年のように稲に大きな被害をもたらしたものと考察した。

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筆者等は北海道農業試験場 (本場) 及び北海道立農業試験場渡島支場, 上川支場, 旧美深分場及び羽幌測候所の5箇所の昭和14年乃至同16年以降昭和29年までの気象観測値を用いて, 北海道におけるイネヒメハモグリバエの異常発生と気象との関係について聊か考察を試みた。その結果を要約すると次のようである。
1. 本種の異常発生に関与する気象要素としては, 気温との関係が密接のようであり, その他の気象要素はこれに附随的に働くもののようである。このことは世界における過去の異常発生地方と気温等温線或いは雨量分布等の気候図を照合しても推察される。
2. 北海道における異常発生年の気象的特徴としては次のようなことが挙げられる。
a. 多発生年の前年の農期間は一般に冷涼で特に7月及び8月に低温の傾向が強い。而してこの低温には多雨型及び寡照型の両者或いはいずれか一方の天候が附随し易い。
b. 多発生年の融雪期は早目で, 4月下旬には高温多照であり, かつその後5月は低温であり, さらに6月にも一般には低温の傾向が強い。またこの時期の降水についてはやや多目のようではあるが, 年次や季節や地帯によつて変動が大きいので明らかではない。
c. 以上の気象特徴は, 広汎な発生年である昭和17年, 同29年, 及び上川北部地域に多発した昭和21年について, ほぼ一致してみられる傾向であるが, 留萠地方に多発した昭和25年の場合は, これと傾向を異にしこの年については気象的には説明が困難である。
d. 暖寒冬と異常発生年との関係は北海道のような積雪地帯では, 積雪量との関連のもとに考察されなければならないが, 異常発生年の冬季は, 寒冬あり, 並冬あり, 暖冬ありで一定していない。ただ昭和17年及び同29年の場合, 前年の12月は高温となつている。
e. 前記した多発生の気象特徴は, 本種の生態の究明をまつて, 将来改めて検討されなければならないと考ええる。

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本報には, イネヒメハモグリバエの圃場における産卵分布と加害状況について, 昭和29年に調査した成績を記録した。その概要は次のとおりである。
1. 稲の垂れ葉に産卵が多く, 卵数の90%はこの葉が選ばれるので, 垂れ葉の多い植付直後の稲苗が本種にとつて最も好ましい産卵対象になるであろう。
2. 1株当りの産卵数頻度分布をみれば, ポリヤ分布によく適合している。
3. 稲苗ではイネハモグリバエは上位葉に, イネヒメハモグリバエはそれよりも下位葉に加害しており, 所謂2種害虫の棲みわけがみとめられた。
4. 移植期の早い稲ほど加害が多く, しかも早期に始まり, 稲の生育停止がみとめられた。

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1. 本報には, イネミギワバエの寄主植物について, 1954年北海道において大発生をした際に観察並びに調査をした結果を敍説した。
2. 本種は極めて雑食性で, 寄主植物の範囲は甚だ広く, 北海道において観察調査の結果知り得たものはイネ科, カヤツリグサ科, オモダカ科並びにマメ科の4科にわたる46種の多きに上る。就中イネ科のものが41種の多数を占める。
3. これら寄主植物のうち, イネ科, カヤツリグサ科, オモダカ科のような単子葉植物に属するものは, 産卵並びに幼虫の摂食が可能な食餌植物であるが, マメ科のような雙子葉植物は単に蛹化潜痕を作るために寄主となるものである。
4. 本種の寄主植物は今後調査の進捗によつてさらに追加される可能性がある。なお既知の寄主植物間における本種の選択性は環境条件によつて一様ではなく, にわかに結論を下し難いが, イネ, クサヨシなどは最もよい食餌植物で, コヌカグサ, カモガヤ, ドジヨウツナギ, スズメノテツボウなどの類もこれに次ぐものである。

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昭和29年のイネヒメハモグリバエの大発生に際し, 北海道農業試験場圃場において, 稲品種及び耕種的条件と本種による被害との関係並びに収量に及ぼす影響について調査を行つたが, その結果は次の如くである。
1. 水田の環境では, 産卵は水面に浮んだ葉に最も多く, 水面から離れている葉には非常に少ない。
2. 苗代及び直播田には被害が見られなかつた。これは保護苗代は水がないために産卵環境として不適であり, 水苗及び直播稲は産卵最盛期にあまりにも小さかつたために産卵の場とならなかつたためであろう。
3. 本調査の範囲では, 育苗法の如何にかかわらず産卵時期に一致した移植期の稲に被害が多くあらわれた。
4. 移植時期が同じであれば, 風乾率の大なる苗-いわゆる健苗-は風乾率の小なる苗に比して被害が少なくあらわれる。
5. 被害のあらわれ方によつて供試品種が3群にわけられることを示したが, 個々の品種と被害の大小との関係は判然としなかつた。但し, 冷害に強い品種は被害も小であるといえるようである。
6. 本種の加害による生育個体数の欠損は, 移植期前後の低温による障害も加わつたため極めて多く, その甚だしい例としては, 移植個体がそのまま全部生育した完全株が全体の半数に過ぎないという場合も見られた。全体として苗立の不揃いが目立ち, これが直接間接にその後の水稲の生育並びに収量に大きな影響を与えた。
7. 各種形質のうち, 最も強く影響を受けたものは株当りの穂数及び株当り総粒数で, 被害により著しく減少した。このため穂重 (:収量) の減少も甚だしい。特に注目される点は, 被害株の方の不稔歩合が低くなつている例が若干見られたことである。
8. 個々の個体については補償現象が見られた場合もあるが, 株全体或いは区全体としては必ずしも甚だしくなく, このため減収が殊に大きかつた。これは生育全期間を通じて継続した不良な気象条件に支配されるところが大であつたと考えられる。

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1. 昭和29年北日本に於ける稲姫葉潜蝿の大発生に際し, 寄生蜂の存在を認めたので北海道並びに本州・東北・北陸地方から試料を蒐集して調査した結果, 5科14種の多きを数えることができた。
2. その寄生蜂の種類を列挙すると, 次の如くである。
a. コマユバチ科 (Braconidae) に属するもの3種Chorebus sp.; Merites? sp.; Opius sp.
b. ヒメバチ科 (Ichneumonidae) に属するもの1種 Hemiteles sp.
c. シリボソクロバチ科 (Proctotrupidae) に属するもの1種 Ismarus sp.
d. ゴガネコバチ科 (Pteromalidae) に属するもの2種 Trichomalus sp.; Merismus sp.
e. ヒメコバチ科 (Eulophidae) に属するもの7種 Solenotus sp.; Neochrysocharis sp.; Rhopalotus sp.; Elachertus? sp.; Mestocharis? sp.; Paracrias sp.: Asecodes sp.
3. これらのうち, 分布が広く個体数の多い有力な天敵と認められたのは, コマユバチ科に属するOpius sp. 及びChorebus sp. で, これに亜ぐのはコガネコバチ科のTrichomalus sp. である。このコマユバチ科の2種は, 最近アメリカ合衆国に於て稲姫葉潜蝿の寄生蜂として認められた2種と同属であるが, 同一種であるかどうかは未だ確定するに至らない。他の種類は個体数少なく, 従つて天敵としての価値は, 現在の知識では大きなものとは認め難い。なおヒメバチ科に属するHemiteles sp. は恐らく二次寄生蜂と見做すべきものであろう。
4. 有力な天敵と認めた寄生蜂についても, 未だその寄生性, 生態などが明かでないので, 今後, それらの点を究明することは, その他の天敵の種類或いは分布の調査と共に, 稲姫葉潜蝿の発生予知を確立する上からも必要と思われる。

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1. この報告はイネヒメハモグリバエに対するディールドリン・エンドリン・ダイアヂノン・ホリドールBHCの効果について東北農業試験場栽培第1部虫害研究室で行つた昭和29年の試験成績を主に記した。
2. 苗代期の防除試験では, ディールドリン・エンドリン・ホリドール・ダイアヂノンはいずれもBHCγ1%粉剤よりも有効であつて, ディールドリン・エンドリンの200倍液1回撒布, ホリドール1000倍液の1回撒布で本種は防除し得る。2回の撒布をするとすれば, ディールドリン・エンドリンの400倍, ダイアヂノンの600倍以上の濃度で1回撒布と同程度の効果を得ることがわかつた。
3. ディールドリンは殺卵効果に乏しいが, それにもかかわらず優れた防除効果を示したことは, 残効性の強いためであつて, 本種の防除剤としては殺卵力の点よりも残効性においてすぐれたものを選択すべきであると考察した。
4. したがつて, 本種の防除方法としては, ディールドリン200倍液を1回撒布するか, また400倍液を10日隔てて2回撒布すればよかろうと著者の考えを述べた。

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1. 本報では昭和29年秋田県下で大発生を見たイネヒメハモグリバエについて, その発生状況の概要と防除状況について記述した。
2. 全県下に亘つて苗代期から本田期にかけて発生を見たが, 沿岸部及び八郎潟の湖岸地帯, 秋田市周辺地帯では苗代期の被害が大きく, 内陸部, 県南部での被害は本田期に大きかつた。
3. 被害は苗代では苗立不良のところに特に甚しく本田では早植えを行つたものに特に甚しかつた。
4. 県下各防除所毎に, 本田期以後水稲及び附近畦畔雑草での掬取りによる成虫発生消長調査を実施し, 水稲生育期間の本種の発生経過をおおよそ把握しえた。
5. 防除剤としては主にBHC粉剤を使用したが, 使用に当つてその時期に適切を欠いたためか又薬剤自身の効果も薄かつたためか, 期待したほどの効果を挙げ得なかつた。

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