北日本病害虫研究会年報
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殺菌剤のスクリーニング法に関する研究
第2報 水和いおう剤
星野 好博沢村 健三高橋 俊作
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1958 年 1958 巻 9 号 p. 198-203

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抄録

1. 各種水和いおう剤の沈降速度測定の結果, これと懸濁液の色との間に関係が認められた。さらにこれと圃場でのりんごうどんこ病防除効果との関連も認められた。
2. 粒度を異にするいおう粉末によるBotrytis cinereaおよびSclerotinia maliの分生胞子発芽試験を行つた通常のスライド試験では各菌とも薬液の効果は顕著でなく, 胞子を薬液に浮遊せしめた場合にのみ, 効果が認あられた。この場合もS. maliでは各粒度のものすべて効果が顯著であるのに対し, B. cinerea菌では直径4μ以下の微粒のもののみが顯著な効果を示した。
3. 各種の水和いお剤の通常の方法によるスライド胞子発芽試験ではすべて相当の効果がみられ, 前述のいおう粉末の場合と異なる試験結果を得た。これはformulationとその他の関係であろう。
4. 添加剤の影響について2・3の試験を行つた結果, Marasperse Nの添加により効果を増し, さらにこれとTriton X100の添加は沈降を遅らせる傾向を認めた。
5. 以上の試験の結果, 水和いおう剤の効果はいおうの粒度および添加剤の種類によつて影響されているものであることを知つた。

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