北日本病害虫研究会年報
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畑作病害虫防除における高能率防除機の利用 (岩手農試)
大森 秀雄長谷川 勉大矢 剛毅小沢 竜生
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1965 年 1965 巻 Special7 号 p. 92-95

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抄録

1) この試験は現在水田に導入されている高能率防除機の利用率の拡大をはかるとともに, 畑作病害虫防除の能率化を目的に実用効果と問題点を把握するために行なった。
2) テンサイの褐斑病・葉腐病防除におけるスワーススプレーヤの利用は, 風速2m程度までは, 噴口から9m付近までほぼ均一に到達し, 散布量150l/10aで, ミト機にすぐれた。散布時間も僅か5分で, 作業員1人当り能率もミスト機の約4倍に達した。
3) 畦畔動力散粉機のテンサイ病害虫およびマメシンスクイ防除におけるポリパイプ20mの使用では, 背負動散に比らべ効果がよく, また散布時間の面でも極めてすぐれ, 作業員1人当り能率でも, 動散の3倍以上であった。散布量は3kgでもよいが, 距離別効果の変動は4kg散布の方が少ない。
4) ホップに対するスワースノズルの利用は, 付着状況調査からみて初期はVN-05, 6月末以降はVN-03, 7月中旬以後はVN-03とJN9の組合せノズルが適当で, 中旬までは片面散布, その後は両面散布法で実用性がある。
5) しかし畑地でのこれら防除機の実用化は, 現状の立地条件 (圃場分散・農道・圃場区劃不備) では, 作業能率が大巾に低下するので, 早急な導入はむずかしい。他の機械作業との関連において畑地の整備と栽培の集団化が必要である。
ただホップに対するスワース型のノズルの利用は充分考えられるが, タンク付きのものは現状ではやはり無理な面が多い。

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