北日本病害虫研究会報
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ジャガイモシストセンチュウに関する研究
捕獲植物の検索と利用の試み
山田 英一高倉 重義
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1981 年 1981 巻 32 号 p. 57-66

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抄録

ジャガイモシストセンチュウに対する捕獲 (密度低減) 効果の高い植物を検索し、線虫密度低減への利用法を検討した。
線虫の寄生量は多いがシスト形成の少ない植物として、ジャガイモ抵抗性品種「ソニカ」、Solanum nodiflorum, Lycopersicon peruvianum B 6001 (P. I. 126926)、イヌホウズキがあり、これら植物の栽培により上壤中の線虫密度は低下した。そのうちイヌホウズキの捕獲効果量2g/m3、5~6月播種で、またトウモロコシ間作としてトウモロコシとの同時播種 (5月) でともに高いが、秋播小麦収穫跡地の8月末播種では効果はなかった。「ツニカ」のトウモロコシ間作では植付時期の早いほど効果が高いが、秋播小麦収穫跡地でも密度を植付時の約50%まで低下させた。マりーゴールド (Tagetes patula, Tagetes erecta) の線虫密度低減効果はなかった。

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