1995 年 1995 巻 46 号 p. 123-126
1994年は, イチモンジセセリ (Parnara guttata) が県内広範囲にわたり発生した。特に葉色の濃い晩植の圃場などでは多発し, 減収例も観察された。減収の主な原因は登熟の阻害によるものと考えられ, これは玄米の粒厚分布, くず米比率に顕著に現れた。また, 現地における発育ステージ, 気象および有効積算温度等から検討を加えた結果, 多発の要因は第1世代成虫の飛来によってもたらされた可能性が高いと考えられるが, 越冬成虫の飛来については必ずしも否定しがたい。