2003 年 2003 巻 54 号 p. 47-50
2001~2002年にダイズ紫斑病菌のチオファネートメチル剤耐性菌の宮城県における発生実態を調査した.その結果, 調査地点の50%以上で耐性菌の発生を確認した.チオファネートメチル剤を紫斑病の防除に用いた地点では, 耐性菌の検出率が高くその割合が100%の地点が多かった.一方, イミノクタジンアルベシル酸塩剤による防除を行っていた地点では, 耐性菌の割合は低かった.チオファネートメチル剤の耐性菌はすべてジエトフェンカルブ剤に対して負相関交差耐性を示した.耐性菌発生の有無による紫斑病の発病度に差はほとんどみられず, 耐性菌発生による防除効果の低下や紫斑病の多発は認められなかった.これは, 本県における作付体系, 作付品種等の栽培環境が関与しているためと考えられた.