北日本病害虫研究会報
Online ISSN : 2185-4114
Print ISSN : 0368-623X
ISSN-L : 0368-623X
2007年山形県のセイヨウナシにおけるシンクイムシ類被害の多発事例
菅原 秀治高部 真典伊藤 慎一
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 2008 巻 59 号 p. 217-221

詳細
抄録

2007年に本県の果樹主産地である北村山地域の一部地域において, セイヨウナシ「ラ・フランス」でシンクイムシ類による果実被害が多発したことから, シンクイムシ類の加害種の推定と発生原因の解析を行った. 捕獲した幼虫と被害果の症状から, 果実被害の73%はナシヒメシンクイGrapholita molestaに, 27%はモモシンクイガCarposina sasakiiによるものと推定された. 被害の多発要因は, ナシヒメシンクイの第2世代成虫の発生が多くなる7月下旬~8月中旬に, また, ナシヒメシンクイの第3世代成虫の発生が多くなる9月上旬~中旬に殺虫剤の散布間隔が長くなった期間があり, この時期に被害を受けたためと考えられた.

著者関連情報
© 北日本病害虫研究会
前の記事 次の記事
feedback
Top