2008 年 2008 巻 59 号 p. 217-221
2007年に本県の果樹主産地である北村山地域の一部地域において, セイヨウナシ「ラ・フランス」でシンクイムシ類による果実被害が多発したことから, シンクイムシ類の加害種の推定と発生原因の解析を行った. 捕獲した幼虫と被害果の症状から, 果実被害の73%はナシヒメシンクイGrapholita molestaに, 27%はモモシンクイガCarposina sasakiiによるものと推定された. 被害の多発要因は, ナシヒメシンクイの第2世代成虫の発生が多くなる7月下旬~8月中旬に, また, ナシヒメシンクイの第3世代成虫の発生が多くなる9月上旬~中旬に殺虫剤の散布間隔が長くなった期間があり, この時期に被害を受けたためと考えられた.