日本航空宇宙学会誌
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AMSR2観測の概要と特徴(<特集>第一期水循環変動観測衛星(GCOM-W1)「しずく」 第4回)
今岡 啓治可知 美佐子武藤 太郎関 三恵子藤井 秀幸
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2014 年 62 巻 6 号 p. 209-213

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抄録

第一期水循環変動観測衛星GCOM-W1「しずく」に搭載された高性能マイクロ波放射計2(AMSR2)は,マイクロ波帯の特徴を活かし,地球規模の様々な「水」に関する情報を得ることができる.特に,大口径アンテナや低周波チャネルを備え,全天候型の海面水温や陸上の土壌水分を観測できる特徴を持つ.これに加え,地球物理量標準プロダクトとして海洋上の積算水蒸気量,積算雲水量降水量,海氷密接度,海上風速,および陸面における積雪深を生成している.地球物理量プロダクトの検証には,高層気象観測や海洋ブイなどの既存観測ネットワークを活用するとともに,定常的な現場観測データが少ない土壌水分量などについては,国内外の研究者との協力により検証サイトを設置・運用している.検証活動を通じてプロダクトの品質情報を利用者へ提供するとともに,AMSR2データを用いた研究の進展のため,アルゴリズムとプロダクトの改善を進めている.

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© 2014 一般社団法人 日本航空宇宙学会
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