日本航空宇宙学会誌
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連載 航空宇宙関連学校の紹介 第4回
特集 月探査活動のための測位・通信の総合システム構築に向けた日本の取り組みと国際連携 第1回
  • 村田 眞哉, 秋山 恭平, 牧野 克省
    2024 年 72 巻 7 号 p. 235-242
    発行日: 2024/07/05
    公開日: 2024/07/05
    ジャーナル 認証あり

    米国が主導するArtemis計画によると,2020年代末から月の南極域における有人探査が計画されている.また,2030年代の初めにはヨーロッパの月着陸機Argonautの月南極域への着陸及び貨物輸送が計画されている.日本もArtemis計画への貢献として有人与圧ローバの開発を進めている.これらと並行して,月探査活動の基盤インフラとなる測位・通信システムを月圏に構築し,月面や月軌道上のユーザに対して測位・通信サービスを提供するLunaNetという計画が欧米主導で進められている.このLunaNetは,測位・通信の国際相互運用を可能とする共通のフレームワークであり,日本(JAXA)もLunaNetに初期段階から参画する.本稿では,国際的に議論が進むLunaNetや,その測位サービスであるLunar Augmented Navigation Service(LANS)について説明し,JAXAの月測位衛星システム(LNSS)の概要とLANSへの貢献,特にNASA・ESAとの共同実証として2028年実施で提案しているLANSの相互運用性実証ミッションについて説明する.

特集 航空宇宙技術遺産第一号 第7回
特集 宇宙エレベーターの最新研究動向 第5回
  • 渕田 安浩, 人見 尚, 石川 洋二, 井上 翼, 馬場 尚子
    2024 年 72 巻 7 号 p. 246-250
    発行日: 2024/07/05
    公開日: 2024/07/05
    ジャーナル 認証あり

    カーボンナノチューブ(CNT)は,1991年に発見され,ダイヤモンドのような立体構造ではなくグラフェンが筒状になった原子構造が特徴的な1次元物質である.さらにCNTは軽量,高強度かつ高い導電性を有することから,構造材料,リチウムイオン電池の電極材料,配線材料や半導体への利用展開も期待されている材料である.これまでに,宇宙エレベーターのケーブル材として計画しているCNTを国際宇宙ステーション(ISS)の船外宇宙曝露実験で,原子状酸素(AO)による損傷を確認してきた.本報告では,CNTの撚糸にコーティングを施したCNT撚糸を宇宙曝露した評価結果について紹介する.

特集 宇宙政策・宇宙法・宇宙安全保障とは何か? 第4回
  • 増田 史子
    2024 年 72 巻 7 号 p. 251-256
    発行日: 2024/07/05
    公開日: 2024/07/05
    ジャーナル 認証あり

    「宇宙ビジネス法」は,様々な宇宙ビジネスに関わる法全般を指すものとして使われている言葉で,おおまかには,①宇宙条約を始めとする国際法上の規範,②宇宙活動国が国際法上の義務の履行を確保し自国の宇宙活動を監督するために定めている行政規制(宇宙活動法など),そして,③ ①,②を前提として宇宙ビジネスを行う際に適用されることになる契約法,知的財産法,会社法などのビジネス全般に関する規律から成る.本稿では,①〜③の相互の関係と宇宙ビジネス法の特徴を解説した上で,人工衛星の打上げを行ってビジネスに利用する場面を想定して日本の関連法制(②,③レベルの規範)について概説する.①の詳細については,本特集第2回「宇宙法とは何か?」の解説に委ねているので,あわせて参照されたい.

連載 宇宙とSDGs 第1回
  • 岩渕 泰晶
    2024 年 72 巻 7 号 p. 257-264
    発行日: 2024/07/05
    公開日: 2024/07/05
    ジャーナル 認証あり

    2015年9月,国連サミットにおける全会一致での採択「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて,「持続可能な開発目標SDGs(Sustainable Development Goals)」が国際目標として明記された.17のゴールと169のターゲットで構成され,地球上の「誰一人取り残さない」ことが誓われている.日本政府では,2016年にSDGs推進本部が内閣に設置され,「SDGs実施指針」が決定し,2017年以降「SDGsアクションプラン」が定められている.2020年の閣議決定で改定された宇宙基本法に基づく「宇宙基本計画」でも各項目に渡ってSDGsへの言及がなされている.そうしたSDGsの最新動向について,SDGsの次のステップに向けた宇宙の貢献を目指したSDGs 18番目のゴールとしての宇宙といった視点から,その課題や解決について宇科連での取り組みも含めて本稿で述べる.

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