磁力支持天秤装置(MSBS: Magnetic Suspension and Balance System)は,風洞試験でしばしば問題となる支持干渉を排除できるため,理想的な空力計測を実現するための最も有望なツールの一つである.大規模な流れの剝離を伴う鈍頭物体においても,支持干渉の影響は無視できず,このシステムの利点は非常に大きい.東北大学流体科学研究所では,過去10年間にわたり,1メートル級のMSBSを用いて,円柱に対するブロッケージ補正手法の研究,角柱の空力特性の評価,回転球における負のマグナス力の発生などを調査してきた.本稿では,これらの基本的な鈍頭物体形状に対する磁気浮上を用いた試験技術と,そこに関わる技術的課題について全2回にわたり報告する.第1回では1メートル級MSBSの概要を説明する.