技術試験衛星9号機(ETS-9)は,我が国の次世代静止通信衛星に必要となるバス技術およびミッション技術を実証し,宇宙産業基盤の強化を図ることを目的とする静止衛星である.ETS-9は全電化推進方式を採用し,ホールスラスタを用いた長期間の軌道遷移にて静止軌道に到達する.静止化後は,衛星バスおよびペイロードの初期機能確認を実施する.定常段階では約3年間の軌道上実証期間において,各ペイロードの実験を行う.さらに約12年間の後期定常期間での運用を行い,終了後は軌道離脱運用を実施する.
三菱MU-2は,小型ターボプロップ機として世界に先駆けて先進技術を多数適用し,累計762機が販売されたベストセラー機である.ターボプロップエンジンの搭載を前提にゼロから設計されたMU-2は,スポイラのみによる横操縦とフルスパンフラップを組み合わせた独自の操縦システムを適用し,高い翼面荷重による高速巡航とSTOL(短距離離着陸)性能の両立を実現した.加えて,快適性に優れた与圧キャビンを備え,1986年の製造終了後も多くの支持を集め続けている.特に,独自の操縦システムを適用しながら型式証明を取得した点が高く評価され,初期型のMU-2Aが航空宇宙技術遺産に認定された.