2014 年 62 巻 7 号 p. 242-247
我々人類が宇宙に進出してから半世紀,日本人宇宙飛行士の初飛行から既に20年が経過した.日本はアメリカ,ロシア,欧州,カナダと並ぶ五極の国際パートナーの一員として国際宇宙ステーション(以下ISS)の運用に深く関与してきた.JAXAでは将来の有人宇宙船独自開発や国際協力開発を見据え,有人帰還技術に関する技術基盤を構築すべく基礎研究に着手している.本報告は有人宇宙船制御システムにおける宇宙飛行士の役割を自動化,自律性,実行権限のバランスおよび飛行フェーズごとのタスクの特性から明らかにした.また,先進的クルー・自動融合操縦技術の課題を明示し,その具体的な対応策に関する研究紹介を行った.