日本航空宇宙学会誌
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首都大学東京低乱低騒音風洞実験設備(<特集>空力実験設備:現状と新展開 第8回)
淺井 雅人稲澤 歩
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2015 年 63 巻 11 号 p. 343-346

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抄録

首都大学東京大学院システムデザイン研究科航空宇宙システム工学域空気力学研究室では,空力騒音の発生機構と騒音制御に関する実験研究を実施するため,平成23年(2011年)3月に回流式の低乱低騒音風洞を設置した.無響室内に設けられた開放測定部は,断面積500×500mm^2,長さ1500mmであり,最大風速は58m/s,乱れ強さは0.1%以下,風速50m/sでの測定部暗騒音は65dB(A)である.気流温度は風洞風路内の熱交換器によって制御されており,騒音計測に加えて,熱線風速計による流れ場計測を一定の気流温度環境下で行うことができる.また,風路内の汚染を最小限に抑えるための排煙機構も備えられている.これにより,粒子画像流速計(PIV)やレーザードップラー流速計など,シーディング粒子を用いた計測も実施可能である.本解説では,風洞設備の概要と気流の性能,そして,本設備の特徴である低乱かつ低騒音環境下で行われた実験事例を紹介する.

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© 2015 一般社団法人 日本航空宇宙学会
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