2016 年 64 巻 12 号 p. 347-351
近年,アンテナや展開膜などの宇宙構造物においては,宇宙ミッションの高度化に伴い,更なる長大化と仕様に関する選択肢の幅を広げることが要求されている.宇宙用伸展ブームは地上で小さく収納することができるので,ロケット打上げ時の負担やリソースを大幅に軽減することが可能となる.一方,宇宙空間で大きく展開することができるので,宇宙ミッションの性能や精度を飛躍的に高めることが見込まれる.そのため,宇宙用伸展ブームの技術開発は,今後の宇宙開発における重要な開発要素として,その成果が期待されている.本稿では,筆者がこれまでに携わった宇宙用伸展ブームの技術開発について紹介する.