抄録
JAXAの低ソニックブーム設計概念を実証するためのD-SENDプロジェクトは,第1フェーズ(D-SEND#1)試験を2011年に行い,軸対称物体についての先端ブームの低ブーム効果と新たに開発した空中ブーム計測システムの有効性を確認した.次の段階としてJAXAの低ブーム設計概念を適用して設計・開発した試験機を用いて低ブーム設計概念を実証する第2フェーズ(DSEND#2)試験を2013年に行うべく試験計画を策定したが,その際,D-SENDは外国機関の運用する気球システムと実験場インフラを使用するため,インタフェース情報や試験手順のやりとりに気を使う必要があった.2013年の試験は供試体飛行時に飛行異常が発生,2014年は気象条件が整わず試験を実施できず,2015年に3年越しの成功となった.本稿では試験計画および関連するSSCの気球実験システム,2015年の試験の様子を報告する.