北関東医学
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性腺刺戟ホルモンに対する卵巣の感受性に関する研究
第1篇 絨毛性性腺刺戟ホルモンの家兎排卵誘発作用に及ぼすステロイドホルモンの影響
栗崎 和雄
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1960 年 10 巻 4 号 p. 615-625

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抄録

絨毛性gonadotropinによる家兎排卵誘発現象はFriedman反応として広く妊娠診断に応用されているが, 使用家兎の体重や諸種内分泌環境の状態によつて, 卵巣の感受性に差のあることが認められている.例えば幼若家兎は成熟家兎に比べ感受性が悪く (Friedman, 黒津), 黄体の存在する家兎は感受性が悪く (藤間), 産褥家兎は感受性がよくなる (Dury &Bradburg, 小林) 等である.更に最近甲状腺や副腎の剔出によつてそれが変ること (比嘉) や黄体が存在していてもestrogen前処置すれば感受性がよくなること (小林 (拓)) なども報告されている.
これらの問題はFriedman反応を実施する場合, 殊に精密な定量的検査を行なう場合などにはよく考慮せねばならない重要な問題であるが, しかしこれに関し従来充分な検討は行なわれていない.そこでこの点を明かにするために以下の種々実験を行ない, 家兎内分泌環境を種種変化させると絨毛性gonadotropinに対する卵巣の感受性が如何に変化するかを検索した.

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