北関東医学
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肺転移結節数と肺重量との相関に関する実験的研究
渡辺 秀臣千木良 正機有田 覚篠崎 哲也
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1986 年 36 巻 1 号 p. 93-99

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抄録

Lewis肺腫瘍細胞およびGunma clone-4細胞をおのおの同系マウスの皮下および尾静脈より投与し肺転移を転移率, 肺表面転移結節数, 肺重量および肺体重比をもって評価した.また各群で肺表面転移結節数と肺重量との相関, および肺表面転移結節数と肺体重比との相関を調べた.各群の転移率は25%から100%の間の値を示し, 肺表面転移結節数に著明な差が現われたものでも転移率では僅差かもしくは同じ値を示すものがみられ, 転移率の定量性が肺表面転移結節数のものに比べて低いことが示された.肺表面転移結節数と肺重量との間の各群の相関係数は0.712から0.996の間にあり, 腫瘍細胞にも接種方法にもかかわらず両者に有意の相関々係を示した.肺表面転移結節数と肺体重比との間の各群の相関係数は0.587から0.998の間にあり有意に相関することを示した.以上より肺重量および肺体重比は肺転移の評価にさいし肺表面転移結節数と同程度の定量性をもつことが示された.

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