北関東医学
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徐放性LH・RHアゴニスト製剤による前立腺癌の治療
真下 透湯浅 久子今井 強一浅野 雅春吉田 勝熊倉 稔
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1991 年 41 巻 2 号 p. 311-320

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抄録
我々は生体内消化性担体 (ポリDL乳酸) を用いて徐放性能をもったLH・RHアゴニストデポー製剤 (PLAC) を作成し, 前立腺癌患者への臨床応用をおこなった.今回は, PLAC挿入後の血清LH・RHアゴニスト, LH, FSH, テストステロン濃度の経時的変動について検討をくわえた.PLAC挿入時の血清LH・RHアゴニストおよびテストステロン濃度の検討から “Medical castration” 効果による前立腺癌の治療にはPLACを8週皮下挿入することでよいことが判明した.また長期にわたってPLACを繰り返し投与した場合LHとFSHの変動にはおおきな違いがみられた.LHの挿入前値は挿入回数を増すにつれてだんだんに低下したが, FSHの挿入前値は挿入回数を増すにつれて回復の傾向がみられ, 挿入3時間後の反応も挿入回数をますにつれて徐々に増加した.
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