北関東医学
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剖検前立腺のラテント癌に関する病理組織学的検討
稲葉 繁樹
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1991 年 41 巻 6 号 p. 821-831

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抄録

最近の日本人の前立腺ラテント癌および前立腺肥大結節について病理組織学的に検討した.
1986年6月より1987年11月までに群馬大学医学部で剖検された40歳以上の男性51例を対象に, 発生率, 年齢分布, 前立腺内での発生部位, 病理組織像についてstep-section法を用いて検討した.
ラテント癌は10例 (19.6%) に認められた.年齢階層別に比較すると, 高齢者になるほど発生率は増加し80歳以上では50%に認められた.
ラテント癌の発生部位はすべて外側領域で, 前後, 左右, 上下差はなかった.上下方向の分布では, 精丘付近に多く発生していた.
病理組織学的には高分化腺癌が多く, すべて癌の体積は0.5ml以下であった.
肥大結節はすべて内側領域に発生し, 膀胱頸部と精丘の中間部を中心に, 大部分前部に発生していた.
前立腺肥大結節はラテント癌発生の危険因子とは考えられなかった.

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