北関東医学
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乳癌診断における視触診法と画像診断能の比較
石田 常博菅又 徳孝飯野 佑一横江 隆夫青柳 秀忠竹尾 健森下 靖雄松本 満臣
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1993 年 43 巻 2 号 p. 169-178

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抄録
最近3年間の教室乳癌症例について各種診断法の診断率を比較し, 組合せ総合診断の意義を検討した.病理組織診断の得られた207例を対象とした.各診断法の正診率 (確診+疑診) は視触診法90%, マンモグラフィ86%, 超音波検査84%, 穿刺吸引細胞診90%であった.確診率では超音波検査 (81%) が最も高かった.非触知乳癌や1cm以下の小腫瘤の診断にはマンモグラフィが有用であった.30歳代の若年者乳癌では視触診法が最も良く, マンモグラフィが不良であった.50歳以上ではいずれの診断法も差はなかった.組織型では非浸潤癌と特殊型浸潤癌の診断率が低かった.視触診法, マンモグラフィ, 超音波検査の3者が全て陽性は80%であり, 全て陰性は6%であった.組合せ総合診断でみると, 乳癌の診断・スクリーニングには視触診法に併用するものとしてマンモグラフィがより有用であった.マンモグラフィの微細石灰化より発見された非触知乳癌の2例を呈示した.
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