北関東医学
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急性心筋梗塞に対する経皮的冠動脈形成術-direct PTCA-の初期成績の検討
飯島 徹高瀬 真一山崎 雅夫山口 悦男中野 明彦井上 雅浩金子 克己
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1993 年 43 巻 4 号 p. 427-432

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抄録
急性心筋梗塞に対する経皮的冠動脈形成術 (direct PTCA) の有用性を検討した.対象は当院に入院した急性心筋梗塞患者のうち, direct PTCAを行なった124例である.初期成功率は91.1%で, 残存狭窄度は35.6±23.3%である.不成功の原因はガイドワイヤー不通過5例, バルーンカテーテル不通過2例, 拡張不十分2例, 冠動脈解離1例, 大動脈蛇行によるガイドカテーテル挿入困難1例であった.direct PTCAに関連した早期合併症は急性冠閉塞を6例に認めた.そのうち5例については再PTCAに成功した.院内死亡は心臓死5例 (死亡率4.0%) と少数であり, そのうちの4例が心原性ショックであった.発症2週間後に, direct PTCAの初期成功113例中105例に冠動脈造影と左室造影を施行し得た.責任冠動脈開存率は93.3%であり, 左室駆出率は56.1±13.1%であった.以上から, direct PTCAは急性心筋梗塞に対する有用な治療法であると考えられる.
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