北関東医学
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高血圧と体格及び肥満との関係について
辻 達彦山田 結子
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1959 年 9 巻 5 号 p. 973-983

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抄録

いわゆるふとり方と高血圧の関係を知るために相対的体重 (Relative Body Weight), 比胸囲, 比腹囲を用いこの夫々で示される広義の体格と血圧との関連をしらべた.被検者は群馬県下の農村数地区の30才以上の成人男女であり, 成人病集検に応じたものである.その結果を綜合すると上記3体格 (型) の中でその各々で “大” と判定される群は高血圧出現率及び血圧平均値が然らざるものより一般に高いことが認められた.さらに分析するとこの要因として比腹囲の “大” なることが最も高血圧頻度と関連ありと推定される.従って高血圧と肥満或は体重超過との関係は高血圧と体格 (比胸囲からみた) の関係におきかえうるとしたRobinsonらの説を一歩すすめて高血圧と比腹囲からみた体格におきかえうる可能性を示唆した.即ち高血圧と比胸囲の関係はむしろみせかけであって高血圧と比腹囲の潜在的関連があるためでなかろうかと思われる.一方低血圧と体格との関係は上記の逆の関係が多少認められたが, 例数が少ないので単なる推測の域を脱し得ない.

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