神戸市立病院紀要
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多胎妊娠の問題点とその管理
原田 明
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2016 年 54 巻 p. 1-

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抄録

多胎妊娠は、母体側では流早産、妊娠高血圧症候群や羊水過多といった合併症を、胎児側では子宮内発育遅延、奇形や周産期死亡など、母児双方にわたり多くの問題点を抱えており、代表的なハイリスク妊娠のひとつである。近年、周産期学や超音波医学の発展により、様々な観点から胎児や付属物の情報が得られるようになり、新たな知見も得られてきたが、未だ解決されない問題点も残っている。一方で、不妊治療の進歩に伴い種々の排卵誘発剤が使用され、体外受精が普及したことにより多胎妊娠はより身近な問題となっている。本稿では多胎妊娠のうち双胎妊娠を中心として、重要と考えられる妊娠初期での膜性診断について説明し、一絨毛膜双胎、discordant twins、双胎間輸血症候群などの問題点と管理について現行のガイドラインに沿って解説する。

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© 2016 地方独立行政法人 神戸市民病院機構
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