透明なセロハンに,粘着剤を塗布してロール状に巻き取ったセロハン粘着テープが国産化され市場に姿を現わしてから,20年の歳月を閲した。それまでにあった布や紙を基材とした粘着テープとともに,セロハンをはじめとする各種プラスチックテープは,生活の隅々まで,また産業用資材として産業のあらゆる分野にまで浸透し,今日その年間産額は300億円に達するものと思われる。粘着剤の特質である粘着性の評価について界面化学との関連において最近の論議を紹介し,粘着剤がより高粘着でより高凝集性を求めて進歩する傾向,あわせて今日的問題,たとえば宇宙開発と粘着テープについて概説した。