高分子
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分子構造と溶融高分子の性質
小野木 重治升田 利史郎
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1968 年 17 巻 7 号 p. 640-649,664

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抄録

高分子溶融物は,合成繊維の紡糸,プラスチックの成形などの加工に使われ,その流動性は加工性を直接支配する要因である。一方,溶融物や濃厚溶液を学問的に考えれば,希薄溶液や結晶のような理想状態とはちがって,理論的に取り扱うことのむずかしい状態であり,分子構造と溶融高分子の性質との関係は,高分子科学の中でも最も解明の遅れた分野の一つであるといえよう。しかし最近の研究は, 高分子の分子構造, たとえば分子の大きさ, 分子量分布,枝分れなどと溶融物のレオロジー的性質との関係を明らかにしつつある。特に分子量分布の均一な単分散試料について得られたデータが集積され,高分子の構造と溶融状態における流動性との関係を帰納する上に大きく貢献している。この記事は,このような溶融物に関する最近の研究を,著者らの研究を中心として概観しようとするものである。

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© 社団法人 高分子学会
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