抄録
三重県マメドチ谷のgadolinite pegmatiteから見いだされたformanite-Y類似鉱物は樹脂光沢の強い、赤褐色、半透明、1×1×0.3mm以下の薄状結晶をなす。メタミクト化著しくformanite-Y:tetragonal の特徴と一致する。組成像観察では2相観察される。ホストはformanite-Yであるが、網状脈としてAl-Ca-Ta-oxide相が認められる。マメドチ谷産formanite-Yはトパズと共生するTa成分の多い相と、黒雲母と共生しNb成分の多い相の2タイプ認められた。網状脈として生成しているTa-oxideはTa2O5 85.66, Nb2O5 3.34, TiO2 1.64, FeO 1.62, CaO 4.51, Al2O3 3.77 Total 100.54wt%の組成を持つ。