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土屋 卓久, Wentzcovitch Renata, de Gironcoli Stefano
セッションID: K1-01
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
会議録・要旨集
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Mg-Fe substitution is most commonly seen in natural solid solution minerals. High resolution X-ray spectroscopy has recently demonstrated that the major lower mantle (LM) minerals undergo a high-to-low spin transition at LM pressures (23-135 GPa). Previous failures of standard DFT and "LDA+U" approaches to describe this phenomenon have hindered its investigation and consequences of fundamental importance to geophysics, such as heat transport in Earth's mantle. Here, using the latest rotationally invariant first principles formulation of LDA+U with optimized effective U, we report the first successful study of this transition in low solute concentration (Mg(1-x)Fex)O, magnesiumwustite. This is believed to be the second most abundant phase of Earth's LM. This encouraging result appears to open for exploration a new class of problems of enormous significance to deep Earth geophysics
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小野 重明
セッションID: K1-02
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
会議録・要旨集
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本研究では、初めて白金カーバイドの高圧相を合成することに成功した。高圧実験は、ダイヤモンドアンビルセル(DAC)を使用し、X線その場観察の手法を組み合わせた。X線実験はSPring-8のBL10XUとPFのBL13Aの放射光を使用した。室温条件で実験出発を加圧し、目的の圧力に到達した後、高圧条件でレーザーによる加熱を行い、相転移を促す方法を用いた。加熱レーザーはSPring-8ではYLF型レーザー、PFではYAG型レーザーを使用した。白金カーバイドの高圧相は約75GPa以上の圧力条件で安定であり、体積弾性率は約300GPaであった。また、この高圧相は1気圧で回収可能であった。新高圧相の結晶構造はNaCl型と思われる。
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赤荻 正樹, 網代 秀明, 糀谷 浩
セッションID: K1-03
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
会議録・要旨集
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マルチアンビル装置で24GPaまで、NaAlSi3O8の高圧相関係および1400℃でのKAlSi3O8-NaAlSi3O8系ホランダイト固溶体の安定領域を調べた。高圧合成試料を微小部および粉末X線回折法で調べ、SEM-EDSで組成分析を行った。 その結果、NaAlSi3O8組成では800-2000℃の範囲で21-22GPaでNaAlSi2O6ジェダイト+SiO2スティショバイトがNaAlSiO4カルシウムフェライト+2SiO2スティショバイトに転移するが、NaAlSi3O8ホランダイトは見出されなかった。また1400℃におけるKAlSi3O8ホランダイトへのNaAlSi3O8の固溶量は40-50mol%であり、1000℃の40mol%に比べて大きな増加が見られなかった。以上のことから、NaAlSi3O8ホランダイトの安定領域は2000℃以上のかなり高温領域にあることが予想される。このことは、隕石中のNaAlSi3O8に富むホランダイト相の生成条件と調和的である
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河野 義生, 石川 正弘, 有馬 眞
セッションID: K1-04
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
会議録・要旨集
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鉱物・岩石の弾性波速度は直接観察できない地球内部を解明するための有用な情報の1つである.近年,我々は下部地殻岩に焦点を当てP波,S波速度測定を行った結果,無水下において斜長石に富む下部地殻岩(ガブロノーライト,輝石グラニュライト)では400℃以上の高温条件下で急激なP波,S波速度低下が起こることを発見した(Kono et al., 2004).ガブロノーライトにおけるP波,S波速度の温度依存性は,1GPa条件下でそれぞれ,400℃以下では-0.8x10-4,-0.8x10-4 km s-1 ℃-1であり,400℃以上では-3.4x10-4,-1.4x10-4 km s-1 ℃-1に増加する.その他の斜長石に富む下部地殻岩においても400-600℃以上の高温条件下で急激なP波,S波速度低下が起こることがこれまでに報告されているが,その原因については解明されていない.本研究では,これらの下部地殻岩すべてに多量含まれる斜長石に注目し,斜長石多結晶体(An50±1)の弾性波速度温度依存性を測定した. 高温高圧実験にはピストン-シリンダー型高圧発生装置を使用し,圧力1GPa,温度25-920℃において弾性波速度を測定した.弾性波速度測定はパルス反射法により行った.振動素子に10°Y-cutニオブ酸リチウムを使用し,P波,S波速度を同時に測定した.測定誤差は±0.35%である. 斜長石多結晶体においても下部地殻岩の結果と同様に,400℃以上において急激なP波,S波速度低下を確認した.P波,S波速度の温度依存性は,それぞれ-1.7x10-4,-0.8x10-4 km s-1 ℃-1から-4.2x10-4,-2.5x10-4 km s-1 ℃-1に増加する.本研究で得られた400℃以上における弾性波速度の温度依存性は400℃以下と比べて2.6-2.9倍高い値である.そのため,400℃以上の高温条件下での急激なP波,S波速度低下は,斜長石に富む下部地殻の地震波速度構造に大きな影響を与えることが予想される.
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糀谷 浩, 赤荻 正樹
セッションID: K1-05
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
会議録・要旨集
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海洋プレートの沈み込みに伴いそのプレートの一部を構成している玄武岩がマントル深部にもたらされる。玄武岩組成を出発物質とする高圧高温実験は、アルミニウム成分に富んだカルシウムフェライト型結晶構造を持つ相が高圧下で安定に存在することを示してきた。その相の主成分であるカルシウムフェライト型MgAl
2O
4に関しては高圧合成の困難さから単結晶法による構造解析はまだなされていない。そこで、本研究ではカルシウムフェライト型MgAl
2O
4を高圧高温合成し、回収試料の粉末X線回折プロファイルを用いてリートベルト解析を行った。解析の結果、格子定数は a = 9.9429(5)Å, b = 8.6455(5) Å, c = 2.7900(1) Åと決定された。また、原子座標や熱振動パラメーターも精密化された。
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土屋 旬, 土屋 卓久
セッションID: K1-06
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
会議録・要旨集
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Hydrogen has large influence on physical and chemical properties of Earth's constituent minerals such as melting temperature and rheological properties. In order to determine the solubility of water in mantle minerals and estimate how much water is stored in Earth's interior, it is critical to investigate the forms of hydrogen in these minerals under high pressure at the atomistic level. We have investigated structural and vibrational properties of hypothetical fully hydrated wadsleyite (Mg7Si4O14(OH)2) using first principles techniques. Cell parameters and linear compressibilities are good agreement with experiments except a axis. We obtained bulk modulus about 138 GPa (K' = 4.5). Using first principles perturbation theory, we have calculated vibrational properties of hydrous wadsleyite. The O-H stretching vibrational frequencies are 3474, 3483, 3503 and 3505 cm-1.
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桑田 昭, 松井 正典, 萩谷 健治, 桂 智男, 余越 祥, 富岡 尚敬, 杉田 光弘, 野沢 暁史, 舟越 賢一
セッションID: K1-07
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
会議録・要旨集
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(Mg,Fe)2SiO4 ringwoodite(RW)は、マントル遷移層の最主要構成鉱物であり、かつFeイオンが10%程度含まれていると考えられている。故に、マントル遷移層を想定した高温高圧下におけるRWの温度圧力状態方程式へのFeイオンの効果を詳細に求めることは重要である。我々は今回(Mg0.8 Fe0.2)2SiO4RW について、SPring‐8に設置されているSPEED‐Mk._II_を用いて実験を行い、温度300-1700K、圧力24.4GPaまでの広範囲な温度圧力条件下における体積を測定した。室温における試料のKTを、Sinogeikin et al.(2003)による値(189.7 GPa)に固定して、3次のBirch-Murnaghan状態方程式を用いて、KT’ = 4.7(1)を得た。続いて、高温高圧下における体積データを用いて、∂KT/∂T = -0.036(3) GPa/K を得た。
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下宿 彰, 大谷 栄治, 久保 友明, 中村 智樹, 岡崎 隆司
セッションID: K1-08
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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オリビンの高圧相であるリングウッダイトはマントル遷移層の主要構成鉱物であり,そのレオロジー特性を明らかにすることはマントル遷移層やスラブのレオロジーを理解する上で重要である。オリビンなどの珪酸塩鉱物では,シリコンの拡散速度が最も遅いといわれており,一般に最も拡散速度の遅い原子が結晶の変形を律速していると考えられているため,シリコンの拡散速度を明らかにすることは重要であると考えられる。本研究では高温高圧下において,リングウッダイトの中のシリコンの拡散速度を測定した。その結果からマントル遷移層のレオロジーのダイナミクスに関する考察を行う。
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大谷 栄治, Litasov Konstantin, 佐野 亜沙美, 舟越 賢一
セッションID: K1-09
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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We have conducted in situ X-ray diffraction study for determination of the phase boundary of hydrous peridotite and basalt compositions. The slope of the decomposition boundary of ringwoodite under the dry condition is very small around -0.4~-1.3 MPa/K, whereas that for the hydrous peridotite becomes about –2 MPa/K. The garnet-perovskite transformation boundary in hydrous basalt is by about 1.5 GPa lower than that in the dry basalt. Thus, there are no density crossover between hydrous peridotite and basalt components in the slabs. Thus, the basaltic layer can easily penetrate into the lower mantle under the wet conditions.
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佐野 亜沙美, 曽根 隆, 近藤 忠, 大谷 栄治, 平尾 直久, 亀卦川 卓美, 佐多 永吉, 大石 泰生
セッションID: K1-10
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
会議録・要旨集
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含水鉱物δ-AlOOH相の安定領域を、レーザー加熱を用いたダイアモンドアンビルセルによる高温高圧実験により決定した。その結果安定領域は40GPaから130GPaに渡る広い圧力範囲に存在することが明らかになった。
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西尾 大輔, 永井 隆哉, 藤野 清志, 瀬戸 雄介, 高藤 尚人
セッションID: K1-11
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
会議録・要旨集
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はじめに:MgSiO3ペロブスカイト,Mg-Pv,は地球下部マントルの主要構成鉱物であると考えられている。Mg-Pvは様々な元素との間に広く置換関係を持っており,その組成により下部マントル全体の物性が変化していくため,重要な物質である。近年,Fe3+とAlを固溶したMg-Pvが下部マントルの酸化還元状態との関連も含めて注目されている。 しかしながら,Mg-PvへのFe3+とAlの固溶とその関係はまだ十分にわかっていない。そのため,本研究ではFe3+とAlが等量に存在するMgSiO3- Fe3+AlO3系の組成を用いて,Fe3+とAlの固溶量と置換関係およびMg-Pvの安定性について議論する。
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永井 隆哉, 高藤 尚人, 瀬戸 雄介, 浜根 大輔, 藤野 清志, 佐多 永吉
セッションID: K1-12
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
会議録・要旨集
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コアーマントル境界の条件で、マグネサイトと鉄が反応する可能性を調べるために、SPring8で高圧高温下放射光X線その場観察実験を行った。高圧発生にはダイアモンドアンビルセルを用い、高温はYLFレーザーにより両面加熱を行った。実験の結果、X線的には顕著な反応の様子は観察されなかったが、回収試料を分析透過電子顕微鏡で観察したところ、鉄の中に炭素と酸素が溶け込んでいることがわかった。また、Fe3Cの高圧高温下での安定性を予備的に調べたところ、Fe3Cとしては安定ではないと思われる結果を得た。これらの結果から、マグネサイトがコア_-_マントル境界まで持ち込まれたときに起こりえる外核の鉄との反応について考察した。
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Sujoy Ghosh, Eiji Ohtani, Konstantin Litasov, Akio Suzuki, Hidenori Te ...
セッションID: K1-P01
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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Carbon dioxide and water are the most important volatile constituents in the Earth and they produce drastic changes in the melting phase relations and partial melt composition of the mantle peridotites. Study of the peridotite-CO
2 system is closely related to petrogenesis of kimberlite and diamond. There are a few high pressure mineral inclusions (i.e. majorite garnet and Ca & Mg perovskite) in diamond which suggest that kimberlites may be originated from the transition zone and lower mantle. Several experimental petrologists have studied the kimberlite and basalt-CO
2 systems, however the phase relations and melt compositions in the CO
2-bearing peridotite at high pressures are poorly constrained. Simplified peridotite-CO
2 system (like CMS or CMAS) has been studied at pressures up to 12 GPa (Canil and Scarfe, 1990), whereas complex peridotite-CO
2 systems have investigated only at lower pressures (up to 4 GPa, e.g. Wendlandt and Mysen, 1980). In this work we report the results on the phase relations and melt compositions of a model peridotite-CO
2 system determined at 10-20 GPa and temperature range from 1200 to 2100
oC.Our results show that solidus of carbonated peridotite is consistent with low-pressure data for CMAS-CO
2 system. Liquidus phase at 10-20 GPa is majorite garnet. At 10-15 GPa, crystallization sequence with decreasing temperature is garnet, olivine and clinoenstatite. Magnesite is the most important CO
2-rich phase stable in peridotite and clinoenstatite is an important phase in carbonated peridotite at 10-15 GPa.The partial melts formed by 10-25% melting at 10-20 GPa has high MgO (26-34 wt.%) and FeO (7.0-10.4 wt.%) and low SiO
2 (18-36 wt.%) and Al
2O
3 (0.5-1.3 wt.%) contents. It contains also 6-12 wt.% CaO, 0.6-2.0 wt.% Na
2O and 0.1-0.3 wt.% K
2O. The CO
2 contents in the melts are 14-32 wt.%. SiO
2-poor composition of partial melts is different to the results for melting of anhydrous or water-bearing peridotite. Partial melting of hydrous peridotite produce SiO
2-rich melts, which can be related to komatiite magmas (e.g. Litasov and Ohtani, 2002). The composition of low degree partial melts (10%) in present experiments is close to magnesiocarbonatites, whereas higher degree melting (20-25%) produce melts, which is close to kimberlite magmas.
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新名 亨, 実平 武, 井上 徹, 入舩 徹男, 山崎 大輔
セッションID: K1-P02
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
会議録・要旨集
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地球のマントルの代表的な組成と考えられているパイロライトについてマルチアンビル高圧装置と放射光を用いたその場X線回折実験を30-40GPa, 1800℃の領域で行った。その結果これまで報告されている30GPaまでの相関係に変化は見られず、Mg-rich perovskite, Ca-rich perovskite, (Mg,Fe)O ferropericlase が観察された。
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小竹 翔子, 鍵 裕之, Zedgenizov Dmitry
セッションID: K1-P03
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
会議録・要旨集
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Sao Luiz からは下部マントル起源のダイヤモンドが報告されている。本研究ではSao Luiz産ダイヤモンドの包有物周辺の残留圧力を求める事を目的として、ダイヤモンドのラマンスペクトルの精密測定を行った。包有物周辺で、ダイヤモンドのピークが高波数側にシフトする様子が観察された。この事は包有物周辺で正の残留圧力がある事を示している。測定した結果からは最大で0.28 GPaの残留圧力が測定された。
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大森 美紀, 井上 徹, 入船 徹男, 山崎 大輔
セッションID: K1-P04
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
会議録・要旨集
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下部マントルは主に(Mg,Fe)SiO3ペロブスカイトとマグネシオウスタイトで構成されていると考えられており、これらの相中のFe含有量は密度や相転移などに影響を及ぼすと考えられる。したがって、これらの相中のFe含有量を知ることはマントルダイナミクスを理解するうえで非常に重要である。このような理由から、(Mg,Fe)SiO3ペロブスカイトとマグネシオウスタイト間のFeとMg分配については、これまでに多くの研究がなされている。しかし、温度依存性については系統的に調べられたものは少ない。そこで本研究では、高温高圧実験により、広い温度範囲で(Mg,Fe)SiO3ペロブスカイトとマグネシオウスタイト間のFeとMgの分配を決定した。高温高圧実験には愛媛大学設置のマルチアンビル型高圧発生装置を使用し、_から_24 GPa、1400℃から2000℃の条件下で実験を行った。出発物質には(Mg0.91Fe0.09)2SiO4組成のSan Carlos olivine、合成したFo80、Fo70、Fo60を粉末にしたものを使用した。回収した試料はSEM、EDS、微小部X線回折装置を用いて相の同定と化学組成の分析を行った。本実験の結果、(Mg,Fe)SiO3ペロブスカイトとマグネシオウスタイト間の分配係数KD=(Fe/Mg)Pv/ (Fe/Mg)Mwは温度の増加と共に大きくなり、San Carlos olivine においては、1400℃から2000℃の間で0.19から0.34へと変化した。また、ある一つの温度において、温度保持時間によってKDは変化した。 本研究の結果から、温度は(Mg,Fe)SiO3ペロブスカイトとマグネシオウスタイト間のFeとMgの分配に大きく影響を及ぼすことがわかった。これは、下部マントルのダイナミクスを推定する場合、この効果を考慮する必要があることを示している。また、温度保持時間による分配係数の変化から、相間の化学平衡状態について検討する。
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宮原 正明, 大谷 栄治, 下宿 彰, 工藤 貴英
セッションID: K1-P05
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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高圧・高温合成実験の結果から,ringwooditeには最大で2.8%のH2Oが含まれうることが知られている。しかし,ringwoodite 中の水の存在形態については明確にされていない。そこで,0.10_から_1.9 wt%のH2Oを含むringwooditeをTEMで観察し,ringwoodite 中の水の存在形態について検討する。
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実平 武, 入舩 徹男, 末田 有一郎, 新名 亨, 井上 徹, 山崎 大輔, ブリューネ ファブリス, 西山 宣正, 舟越 賢一, 野澤 ...
セッションID: K1-P06
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
会議録・要旨集
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放射光X線その場観察実験により、パイロライトとMORBの660km地震波不連続面付近の密度変化を明らかにした。密度は高温高圧下における鉱物の格子体積と、回収試料の化学組成分析から、X線密度の定義に従って決定した。パイロライト、MORBともIrifune (1993)、Irifune and Ringwood (1993)の結果と一致した。Irifune (1993)では特に下部マントル領域における密度変化に大きな誤差が生じていた(約±0.1g/cm
3)。これは、鉱物の化学組成分析、格子定数の誤差と、熱弾性パラメーターの不確定さに起因していた。本研究では、熱弾性パラメーターの誤差が加わらないため、約±0.05 g/cm
3以下の精度で密度変化を制約することができた。
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肥後 祐司, 井上 徹, 山田 明寛, 入舩 徹男
セッションID: K1-P07
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
会議録・要旨集
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近年、地球内部の地震波速度データの高分解能化が進んでいる。こうした地震学的な観測事実をもとに地球のマントル物質の候補となる鉱物の物性と比較検討すれば、地球内部を物質科学的に推測することが可能である。本研究では、地球科学的に非常に重要なマントル遷移層の地震波速度構造を解釈するため、マントル鉱物の一つであるringwooditeの弾性波速度測定を実際のマントル遷移層に相当する高温高圧下でおこなった。実験の結果、マントル遷移層の温度圧力条件に相当する圧力18GPa程度、温度1400℃の高温高圧下においてringwoodite - (Mg0.9Fe0.1)2SiO4の弾性波速度の測定に成功した。詳細な解析結果については当日、講演で発表する。
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峰 哲郎, 岡田 卓, 山中 高光, 永井 隆哉, 中本 有紀
セッションID: K1-P08
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
会議録・要旨集
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チタノマグネタイトFe
3-xTi
xO
4 (0≦x≦1)は、逆スピネル構造(空間群Fd-3m, Z=8)をもつマグネタイトFe
3O
4とウルボスピネルFe
2TiO
4間の完全固溶体である。2つの陽イオンサイトがあり、Ti
4+、Fe
2+、Fe
3+イオンは四配位席あるいは六配位席を占める。地殻での主要な磁性鉄系酸化物であるため、高圧状態における構造及び物性を理解することは、地球内部での磁性や電気伝導のメカニズムを考察していくにあたって重要である。本研究ではこの系に関して、室温における高圧下X線回折実験を行い、各出発物質組成の相転移圧力および高圧相構造を明らかにした。
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久保 友明, 加藤 工, 木村 眞, 亀卦川 卓美
セッションID: K1-P09
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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We have observed kinetics of high-pressure decomposition reaction from albite to jadeite and quartz (coesite) by in-situ X-ray diffraction method at 2.8-6.0 GPa and 300-600 degree C. Time-resolved X-ray diffraction data for this transformation were collected every 10-300 seconds. Preliminary results suggest that the reaction occurs at relatively low temperatures around 300 degree C when overpressures from the equilibrium boundary are more than 2 GPa.
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大藤 弘明, 入舩 徹男, 一色 麻衣子, 坂本 志津枝
セッションID: K1-P10
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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FIB(Focused Ion Beam)微細加工装置は,Grイオン源から発生させたイオンビームを細く集束させ,試料表面に照射させる装置である.電子線に比べて試料との相互作用が強いため,照射領域を自由に掘削することが可能である.本研究では,マルチアンビル装置,およびダイアモンドアンビルセルを用いて高温高圧合成したMgCO3の高圧相鉱物,ringwoodite,diamondなどについてFIB法を用いてTEM観察用薄膜試料加工を行った.FIB法を用いて切り出した薄膜試料は,入射ビームに近い部分では局所的なGrイオン汚染があるものの,それ以外の部分では汚染,ダメージは少なく,合成鉱物の微細組織観察やEDSを用いた組成分析が実用レベルで行えることが分かった.また,diamondのような軽元素より構成される試料の場合,結晶格子レベルでの高分解能像観察も可能であることが分かった.
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神崎 正美, 薛 献宇
セッションID: K2-01
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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従来NMR分光法では化学シフトが主に構造の解釈に使われてきたが,非1/2スピンを持つ核では核四極子結合常数(Cq)と非対称性因子(eta)も局所構造の情報を持っている.サイト同定等のためにこれらのパラメータを結晶構造から予測する必要性が高まっている.本研究では第一原理計算法を使って様々な結晶におけるEFGとetaの計算を行うことを試み,実験データと比較した.第一原理計算にはfull potential LAPW法プログラムであるWIEN2kを使った.計算されたCqとNMRから得られたCqは水素を含む系を除いてよく一致した.またetaについても同様である.本研究から第一原理計算により十分な精度でCqとetaを予測できることがわかった.
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久保 友明, Durham William, Stern Laura, Kirby Stephen
セッションID: K2-02
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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Creep experiments on polycrystalline water ice II with a variety of grain sizes (6-38 micron) have been performed at conditions relevant to planetary interiors (confining pressures of 200-250 MPa and temperatures of 200-220 K). Clear differences in creep behavior have been observed with different grain sizes at constant strain rates of 1.4e-8-4.3e-6 (s-1). The grain-size sensitive creep of ice II demonstrated here plausibly dominates plastic strain at the low stress conditions in the interior of medium- and large-size icy moons of the outer solar system
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遊佐 斉, 佐多 永吉, 大石 泰生
セッションID: K2-03
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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A hexagonal perovskite is confirmed in BaSiO3 at 32 GPa. The structure exhibits 9R-type sequence with a space group of R-3m. This is the second example of the hexagonal silicate perovskite followed on SrSiO3 compound. It is interested that the degree of face sharing SiO6 octahedra increases in the structure with increasing effective ionic radii of divalent cations.
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岡田 卓, 成田 利治, 山中 高光, 永井 隆哉
セッションID: K2-04
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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MgXO3 (X=Si, Ge, Ti)イルメナイトの高温・高圧ラマンスペクトルを、773K及び30GPaまで測定した。X-O伸縮振動バンドの力の定数の温度・圧力依存性から、XO6八面体の膨張・圧縮メカニズムが、3組成のイルメナイトで異なることを見出した。その傾向は、3組成のイルメナイトの熱力学的安定性と調和的であった。ラマンバンド振動数の温度・圧力変化から、熱容量における非調和振動の効果を求めた。非調和効果は、3組成のイルメナイトのデバイ温度と強い相関があった。
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石田 清隆
セッションID: K2-05
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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O-H変角振動バンドの帰属決定を主たる目的に、Talc, Serpentine, Chlorite3種の3八面体型層状珪酸塩鉱物を合成し、それらのFTIRスペクトルを測定した。それぞれの重水素置換体も併せて検討した。TalcとSerpentine は、端成分を含めた四面体(Si,Ge)の連続固溶体が合成できた。四面体が(Si,Al)からなるChloriteの合成はSi2.8Al1.2の組成のもののみ成功した。一方、Geで置換したChloriteは、Ge4Al0の端成分を除いたGe2Al2~ Ge3.5Al0.5まで容易に合成できた。
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小松 一生, 鍵 裕之, 栗林 貴弘, Parise J.B., 工藤 康弘
セッションID: K2-06
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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高温下における含水鉱物中の水素の挙動に注目し、topaz-OHの単結晶X線回折およびラマンスペクトルの測定を298Kから1173Kの温度領域で行った。室温下のラマンスペクトルには、OH伸縮振動モードに由来する2つの強いピーク(3599cm-1および3522cm-1)および弱いショルダー(3458cm-1)が見られる。これらのピークは温度上昇に伴って互いに重なり合い、873K以上の温度では、スペクトルを複数のピークに分離することは困難になる。単結晶X線回折によって得られる差フーリエ図からも、室温下では2つのピークを認めることができるが、高温下における水素原子付近の差電子密度は1つの大きく拡がった分布を示す。これらの結果は、高温下において水素はH1とH2の間を頻繁に移動し、単独のサイトを中心に激しく熱振動していると理解できる。
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鈴木 彩子, 安田 敦, 小澤 一仁
セッションID: K2-07
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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上部マントルかんらん岩中のスピネルにみられる陽イオンの累帯構造は,温度や変形履歴を反映しており,その履歴の定量的推定のために,スピネル中の拡散係数が必要となる.我々は,温度1400-1700度,圧力2.5-5GPaの範囲で実験を行い,3価のCr-Alについての拡散係数を決定した.実験は,3GPa以上の条件ではマルチアンビル型高圧発生装置を,1-3GPaではピストンシリンダー型高圧発生装置を用いて行った.出発物質は,天然のMgAl2O4スピネルとクロマイトの単結晶を拡散対として用いた.求めたCr-Alの相互拡散係数,Cr,Alそれぞれの自己拡散係数には温度依存性・圧力依存性が認められ,活性化エネルギー,活性化体積が得られた.以上の結果より,上部マントルにおいて,クロマイトが拡散クリープによって累帯構造を形成しつつ変形する条件の定量的推定を試みる.
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松井 正典
セッションID: K2-08
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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結晶のポテンシャルエネルギーを、クーロン項、ファンデァワールス引力項、反発項から成る二体間相互作用の和で表した。加えて、酸素イオンについては、結晶内における多体相互作用を取り扱うべくbreathing shell modelを適用した。酸素イオンのbreathingを含む必要なエネルギーパラメータは、CaO-MgO-Al2O3-SiO2系の種々結晶の常温常圧下における実測の構造、体積弾性率、熱膨張率、及びエンスタタイト、ウォラストナイト、ディオプサイド及びアノーサイト融体の常圧1900 Kにおける、密度、体積弾性率、熱膨張率の実測データの全てを精度良く再現するとの条件を用いて経験的に求めた。今回取り扱った結晶及の構造が極めて多様であるにも拘わらず、MDシミュレーションを用いて、それぞれの実測の構造、体積弾性率、熱膨張率の全てを高精度で再現することに成功した。加えて、常圧1900 Kにおける上記4種の融体についても密度、体積弾性率、熱膨張率の実測データとMD値の一致は極めて満足ゆくものであった。
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三宅 亮, 川野 潤
セッションID: K2-P11
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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近年、上部マントルで観察される~210km地震波不連続面あるいは~300km不連続面(それぞれLehmann-不連続面、X-不連続面と呼ばれることもある)の要因の一つとして、斜方エンスタタイトと高圧型単斜エンスタタイトの相転移が考えられている。本研究では、エンスタタイトの分子動力学シミュレーションにより、斜方エンスタタイトと高圧型単斜エンスタタイトの異方性について考察を行い、さらに低温型単斜エンスタタイトについても結果を報告する。Vp速度は、斜方エンスタタイト、低温型および高圧型単斜エンスタタイトで[100], [001], [010]方向の順で速く、強い異方性を持つことがわかった。一方Vs速度については、低温型単斜エンスタタイトではVp速度と同様な異方性が観察できたが、他の斜方および高圧型単斜エンスタタイトではさほど異方性は観察できなかった。
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篠田 圭司, 野口 直樹
セッションID: K2-P12
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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野口 直樹, 篠田 圭司
セッションID: K2-P13
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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國方 篤史, 富岡 尚敬, 永井 隆哉, 山中 高光, 成田 利治
セッションID: K2-P14
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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斜長石の非晶質化圧力を決定するため,ダイヤモンドアンビルセル(DAC)を用いた室温下,20-49GPaでの加圧実験を行った.回収試料の構造をラマン分光,TEMで解析したところ,Ab99組成の斜長石は37GPa,Ab89は34GPa以上で完全に非晶質化することが明らかになった.室温での静的圧縮による斜長石の非晶質化圧力は,衝撃実験による非晶質化圧力(Ostertag 1983)に対してわずかに低圧(4 GPa以内)であった.また,Willams & Jeanloz (1989)のDACによるアノーサイト(Ab5)の非晶質化圧力(約28 GPa)も考慮すると,衝撃実験同様,アルバイト成分が増加するほど,非晶質化の圧力は高くなることが明らかになった.
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西澤 正太郎, 奥村 輔, 西戸 裕嗣, 蜷川 清隆
セッションID: K2-P15
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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鹿山 雅裕, 奥村 輔, 西戸 裕嗣, 蜷川 清隆
セッションID: K2-P16
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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クリストバライトを対象に、室温ならびに温度制御下でのCLスペクトル測定を行った。測定には黒曜石、安山岩、流紋岩および含オパール高シリカ堆積物に産した試料を用いた。室温での測定では、共通して450nmから500nmをピークとする青色領域にブロードなバンドスペクトルが認められた。一方、流紋岩や黒曜石中に産するものは、700nm付近をピークとする赤色領域にブロードなバンドスペクトルを示した。温度制御下(-192℃から50℃)測定では、温度消光が見られ、消光過程の活性化エネルギー(E)はMott-Seitzモデルを仮定し、アレニウスプロットにより算出した。Eは-192℃から-70℃で0.033eV、-50℃から50℃では0.097eVとなり、前者はO-Si-O偏角振動(ω2)、後者はSi-O伸縮振動(ω6)のエネルギーに近く、これより温度消光過程の非輻射遷移エネルギーは、フォノンとして格子へ伝達されたと考えられる。
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下林 典正
セッションID: K3-01
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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龍 徹, 木股 三善, 興野 純, 西田 憲正
セッションID: K3-02
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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福島県石川山花崗岩ペグマタイト産の鉄コルンブ石の波状累帯構造やパッチ状構造について、化学組成ごとに単結晶をえぐり出して結晶構造解析を行い、鉄コルンブ石とイキシオライトにおける鉱物組織と化学組成の関係を解明した。反射電子像から、鉄コルンブ石には波状累帯構造が観察され、EPMAの結果、暗相はXMnが0.320、XTaが0.213で、明相はXMnが0.337、XTaが0.381であり、明相は暗相よりもTaに富む。単結晶構造解析の結果、明相、暗相ともに鉄コルンブ石であった。横軸にXMn、縦軸にXTaをとった図 (Černý, 1989) では、コルンブ石はXTaが0.4よりも小さく、イキシオライトはXTaが0.4よりも大きい傾向が見られた。従って、XTaが0.4よりも大きいとイキシオライトが、0.4よりも小さいと鉄コルンブ石が化学組成に応じて結晶化すると考えられる。
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永嶌 真理子, 石田 孝浩, 赤坂 正秀
セッションID: K3-03
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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島根半島三津産パンペリー石におけるFeの酸化数と6配位席における分布,及びそれらの結晶構造に与える影響をメスバウアー法とX線リートベルト法を用いて検討した.その結果,三津産パンペリー石の化学式は(Ca7.98Na0.06)WΣ8.04(Fe2+0.88Mg0.67Fe3+0.79Al1.64)XΣ3.98(Al5.67Fe3+2.34)YΣ8.01Si12.00O39.94(OH)16.06となり,したがって本鉱物はferrian pumpellyite-(Al)である. Al=Fe3+置換によるY席の膨張が格子定数, 平均原子間距離に大きな影響を与えるのに対し,X席におけるイオン置換の影響は顕著ではなく,結晶構造全体に与える影響も小さいことが判明した.Y席はFe3+の増加により膨張し,より秩序的な八面体に近づくため変形度が減少する.
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工藤 康弘, 栗林 貴弘, 末田 有一郎, 入船 徹男
セッションID: K3-04
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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41.8 GPa 2200 Kの条件下で合成されたMgAl2O4の未知相の結晶構造を単結晶X線法で解析した. 70x70x18ミクロンの単結晶試料をKEKのBL-10Aで放射光(波長 0.6990 A)と垂直型四軸自動回折計でX線回折強度を測定した.EDSによる分析の結果は,誤差の範囲内で,理想式MgAl2O4の組成である. Auの小片が少量混在しているが,X線回折強度に影響を与えるほどではない.逆格子空間の極限球の半球で2θが 72度までの反射1381反射を測定した.観測されたLaue対称はmmmで,独立な反射は410個である.同価な反射の強度の一致の程度を示すRintは9%である.放射光での格子定数はa=9.730(8), b=3.008(3), c=4.601(2)A.封入管(MoKα, 50kVx20mA)と四軸自動回折計(MXC3K)で測定した値は,a=9.745(4), b=3.013(2), c=4.6041(2)A, V=135.2(1) A3である.両者は誤差の範囲内で一致しているが,格子定数は誤差の小さい封入管による値を用い,回折強度データは放射光によるものを用いた.回折強度の消滅則から,空間群はPmmnである.結晶構造は直接法で決定した.同価な反射の強度を平均し,Io>3.0σIoの205個の反射と1/σ2の重みでの最小自乗法による精密化の結果は異方性温度因子を用いてR=5.7%, Rw=5.6%である.構造はCalcium Ferrite構造(CF構造)とCaTi2O4構造(CT構造)の中間的特徴を有している.
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赤坂 正秀, 永嶌 真理子, 牧野 州明, 大沼 晃助
セッションID: K3-05
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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In this study, Es80Tp20-Cpxss have been investigated by using X-ray and TOF neutron Rietveld methods to determine site occupancies of Fe3+ and Ti4+ at the octahedral and tetrahedral sites.Es80Tp20-Cpxss was synthesized from oxide mixture at 1240ºC in air for 45 days.X-ray powder data was collected using a RIGAKU RINT automated Bragg-Brentano diffractometer system.A time-of-flight (TOF) powder diffractometer, VEGA, has been operated at the KENS pulsed spallation neutron source. The site occupancies of Fe, Ti and Al at the M1 and T sites, refined by the neutron diffraction data, give following atomic contents at the M1 and T sites: (Fe0.447Al0.554)M1(Al0.646Fe0.354Ti0.200Si0.800)T. Thus, the distribution of Ti in the Es-Tp Cpxss is very different from that expected from ionic radius.
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道場 清智, 白井 恭子, 田原 岳史, 保倉 明子, 中井 泉, 宮脇 律郎, 松原 聰
セッションID: K3-06
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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天然の希土類炭酸塩RE(CO3)OHには斜方晶系(kozoite)と六方晶系(hydroxyl-bastnäsite)の二種類の鉱物が知られている。hydroxyl-bastnäsiteの空間群はbastnäsiteと同じP-62cと記載されているが、報告されている六方晶系Nd(CO3)OH合成物では異なる単位格子と空間群(P-6)で解析されている。そこで一連の希土類元素で六方晶系RE(CO3)OHの単結晶合成を試み、構造解析を行った。RE = La, Pr, Nd, Sm, Eu, Erにおいて良質な単結晶が生成し、構造解析の結果、今回の合成物はhydroxyl-bastnäsiteとは異なる格子をもち、既報の合成物(RE = Nd)の結晶構造を支持することが分かった。しかし詳細に検討すると既報の合成物のモデルに比べてREイオンへの配位状態が若干異なっていることも分かった。
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工藤 康弘, 栗林 貴弘, 井上 徹
セッションID: K3-07
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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13.5 GPa 1300 Cの条件下で合成された含水forsteriteの結晶構造を単結晶X線法で解析した. EPMAによるMg/Si比は2.038, 含水量はSIMSで測定され0.38 wt%で,化学式はMg1.985Si0.993H0.06O4である.35x47x59ミクロンの単結晶試料を封入管(MoKα, 50kVx20mA)と四軸自動回折計(MXC3K)で測定した.空間群,格子定数は: Pbnm, a=4.756(1)A, b=10.208(3)A, c=5.988(2)A, V=290.7(2)A3. 逆格子空間の極限球の半球で2θが 80度までの反射4488反射を測定した.観測されたLaue対称はmmmで,独立な反射は1092個である.同価な反射の強度の一致の程度を示すRintは6%である.同価な反射の強度を平均し,Io>1.5σIoの788個の反射と1/σ2の重みでの最小自乗法による精密化の結果は異方性温度因子を用いてR=2.7%, Rw=2.1%である.Site occupancyはSi-site 95.0(4)%, Mg1-site 95.4(4)%, Mg2-site 96.2(4)%で,Mgと Si がほぼ同じようにH と置換していてMg1と Mg2を比べると僅かにMg1が卓越している.
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越後 拓也, 木股 三善, 興野 純
セッションID: K3-08
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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薛 献宇, 神崎 正美, 福井 宏之, 伊藤 英司, 橋本 崇史
セッションID: K3-09
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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Topaz-OH (Al2SiO4(OH)2), phase egg (AlSiO3OH) and delta-AlOOH are hydrous phases in the Al2O3-SiO2-H2O system that have been found to be stable at successively higher pressures up to those of the lower mantle, and thus may be important in the siliceous sediments of subducting slab. Although the crystal structures of these phases have been determined by X-ray diffraction, this technique is insensitive to H positions and Al-Si disorder. We have applied 1H, 29Si and 27Al NMR and micro-Raman spectroscopy to gain additional insights. Our study revealed that the octahedral Al-Si distribution in phase egg is partially disordered, which is expected to have a significant effect on its physical and thermodynamic properties and stability field. In addition, these data also suggest the presence of some structural disorder in topaz-OH. Finally, our data support that hydrogen bonding is strong in phase egg and delta-AlOOH, but weak in topaz-OH.
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石田 直哉, 木股 三善, 興野 純
セッションID: K3-10
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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ペンタゴン石とカバンシ石は、両者ともCa(V4+O)(Si4O10)・4H2Oの化学組成で、多形の関係にあるとされている(Staples et al., 1973)。しかし、両者の化学組成はEvans (1973)による単結晶構造解析から決定されており、化学分析では確認されていない。そのため、ペンタゴン石とカバンシ石に対して、両者が多形関係にあるかを検証する必要がある。ペンタゴン石とカバンシ石に対して、顕微赤外線分光分析を実施した結果、カバンシ石にOH-が含まれる可能性が見出された。しかしこの時、カバンシ石では電気的中性条件が満たされない。そこで本研究は、カバンシ石に対しV5+かヒドロニウムイオン(H3O+)を含むことでこの条件を満たす次の二つの構造式を提案する。Ca(V5+O)(Si4O10)・3H2O・OH-とCa(V4+O)(Si4O10)・2H2O・H3O+・OH-である。
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有馬 寛, 大高 理, 久保 勝之, 吉朝 朗, 片山 芳則, 亀掛川 卓美
セッションID: K3-11
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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銅ハライド鉱物であるMarshite (CuI) とNantokite (CuCl)の高温高圧下での相関係と高圧相の結晶構造を決定することを目的として放射光施設での高圧その場X線回折実験を行った.回折実験の結果からCuIでは,10 GPa,・700 Kより高温高圧の領域においてrocksalt型構造が安定に存在することがわかった.回折パターンの温度変化より,高温低圧相であるdisordered zincblende相から高温高圧相であるrocksalt型構造への転移はdisoredered rocksalt型構造を経由する連続的な構造変化であると考えられる.一方CuClでは低圧相からrocksalt型相への転移はシャープであった,また,CuClにおける低圧相とrocksalt型相との相境界は従来正の傾きを持つと予想されていたが,本研究の結果から傾きは負であることが見出された.
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大井 修吾, 三宅 亮, 下林 典正, 北村 雅夫
セッションID: K3-12
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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栗林 貴弘, 小松 一生, 住岡 慶子, 池田 陽平, 工藤 康弘
セッションID: K3-13
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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OlivineとHumite族鉱物に見られる,陰イオンの積層方向(a軸方向)と並行に四面体と三つの八面体で作られるコラム中の電子分布について解析を行い,humite族鉱物とolivine構造との相違点を調べた.また,その電子分布と圧縮機構との関わりについて考察する.
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泉谷 健介, 奥野 正幸, 北谷 岳士, 阿藤 敏行, 福岡 清人
セッションID: K3-14
発行日: 2005年
公開日: 2006/09/08
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本研究では、SiO2ガラスと類似した構造を持つと考えられているGeO2 成分を、SiO2ガラスに混合することにより、その衝撃挙動に現れる変化をさぐるために、GeO2及び80GeO2-20SiO2ガラスについて衝撃実験を行い、その構造の変化をX線回折法、ラマン分光法より調べた。 X線散乱強度のFSDP(First Diffraction Peak)の解析により、GeO2成分の増加に伴い、より低い衝撃圧で中距離構造の変化、ならびに衝撃圧の残留熱による構造緩和が生じていることが明らかになった。また、ラマンスペクトルの解析により、この中距離構造の変化が、(Si,Ge)O4四面体のネットワーク構造中の結合角(_丸右_T-O-T:T=Si,Ge)の減少ならびに(Si,Ge)O4四面体の3員環構造の増加であることを明らかにした。
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