従来NMR分光法では化学シフトが主に構造の解釈に使われてきたが,非1/2スピンを持つ核では核四極子結合常数(Cq)と非対称性因子(eta)も局所構造の情報を持っている.サイト同定等のためにこれらのパラメータを結晶構造から予測する必要性が高まっている.本研究では第一原理計算法を使って様々な結晶におけるEFGとetaの計算を行うことを試み,実験データと比較した.第一原理計算にはfull potential LAPW法プログラムであるWIEN2kを使った.計算されたCqとNMRから得られたCqは水素を含む系を除いてよく一致した.またetaについても同様である.本研究から第一原理計算により十分な精度でCqとetaを予測できることがわかった.