日本鉱物学会年会講演要旨集
日本鉱物学会2005年度年会
セッションID: K2-P16
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天然産クリストバライトのカソードルミネッセンスについて
*鹿山 雅裕奥村 輔西戸 裕嗣蜷川 清隆
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抄録

クリストバライトを対象に、室温ならびに温度制御下でのCLスペクトル測定を行った。測定には黒曜石、安山岩、流紋岩および含オパール高シリカ堆積物に産した試料を用いた。室温での測定では、共通して450nmから500nmをピークとする青色領域にブロードなバンドスペクトルが認められた。一方、流紋岩や黒曜石中に産するものは、700nm付近をピークとする赤色領域にブロードなバンドスペクトルを示した。温度制御下(-192℃から50℃)測定では、温度消光が見られ、消光過程の活性化エネルギー(E)はMott-Seitzモデルを仮定し、アレニウスプロットにより算出した。Eは-192℃から-70℃で0.033eV、-50℃から50℃では0.097eVとなり、前者はO-Si-O偏角振動(ω2)、後者はSi-O伸縮振動(ω6)のエネルギーに近く、これより温度消光過程の非輻射遷移エネルギーは、フォノンとして格子へ伝達されたと考えられる。

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© 2005 日本鉱物科学会
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