日本鉱物学会年会講演要旨集
日本鉱物学会2005年度年会
セッションID: K3-10
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ペンタゴン石とカバンシ石の多形性の検証-水分子の構造状態-
*石田 直哉木股 三善興野 純
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抄録

ペンタゴン石とカバンシ石は、両者ともCa(V4+O)(Si4O10)・4H2Oの化学組成で、多形の関係にあるとされている(Staples et al., 1973)。しかし、両者の化学組成はEvans (1973)による単結晶構造解析から決定されており、化学分析では確認されていない。そのため、ペンタゴン石とカバンシ石に対して、両者が多形関係にあるかを検証する必要がある。ペンタゴン石とカバンシ石に対して、顕微赤外線分光分析を実施した結果、カバンシ石にOH-が含まれる可能性が見出された。しかしこの時、カバンシ石では電気的中性条件が満たされない。そこで本研究は、カバンシ石に対しV5+かヒドロニウムイオン(H3O+)を含むことでこの条件を満たす次の二つの構造式を提案する。Ca(V5+O)(Si4O10)・3H2O・OH-とCa(V4+O)(Si4O10)・2H2O・H3O+・OH-である。

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© 2005 日本鉱物科学会
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