日本鉱物学会年会講演要旨集
日本鉱物学会2005年度年会
セッションID: K5-P36
会議情報

X線異常散乱法によるchrysocollaの環境構造解析
*竹丸 康隆杉山 和正
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

chrysocolla [SiCuO3+nH2O(n≈2.0)]は銅鉱床酸化帯に産出する非晶質含水珪酸塩鉱物である。 これまでのXAFS解析によって、chrysocolla には、CuO4局所構造単位が存在し、総じて dioptase [Cu6Si6O18・6H2O]の結晶構造と類似していることが示唆されているが、Si周囲の原子配列など基本的な構造情報が極めて不足している。本研究では、通常の非晶質構造解析法およびX線異常散乱法(AXS)を用いて、詳細な構造解析を行った。 高エネルギー加速器研究機構において、CuK吸収端(8.984keV)から25eVおよび300eV低いエネルギーのX線を用いたAXS測定を行った。また、MoKα線を用いた平均構造解析も行い、Cu周囲の環境RDFおよび通常RDFの情報を併用して構造の解釈を進めた。 本研究の結果、chrysocollaの基本構造単位として、CuO4およびSiO4局所構造要素が確認できた。現在、Si-CuおよびSi-Si相関などの中距離構造の詳細を解明するため、構造モデリングシミュレーションをRMC法を用いて行っている。

著者関連情報
© 2005 日本鉱物科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top