高知リハビリテーション専門職大学紀要
Online ISSN : 2435-2543
Print ISSN : 2435-2535
投球動作における3次元動作解析による運動学的検討
笹村 聡片山 訓博稲岡 忠勝有光 一樹前田 隼佑岩見 一洋山田 義久
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2020 年 1 巻 p. 1-8

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抄録
本研究の目的は,高校野球投手の投球動作中の上腕加速度に下肢・体幹運動が及ぼす影響について明らかにすることである.高校野球投手11名を対象として,ポータブル3次元動作解析装置(noraxon社製,マイオモーション)を用いて投球動作の解析を行った.その結果,体幹回旋角速度は投球側上腕の合成加速度と相関した.先行研究では体幹回旋角速度はボール速度と相関しており,このことから合成加速度を分析指標として用いる妥当性が示された.次に投球時の下肢・体幹の関節角度範囲を独立変数とし,投球側上腕の合成加速度を従属変数とした重回帰分析では,股関節回旋角度範囲と,胸部回旋角度範囲が合成加速度と有意に関連した.以上の結果から下肢・体幹から起こる運動連鎖が投球側上腕の合成加速度へ及ぼす影響が明らかとなった.ポータブル3次元動作解析装置による投球の動作解析は,指導者の目視による確認やビデオフィードバックによる指導効果をより確実にし,投球の効率改善と投球障害の予防につながる可能性がある.
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© 2020 高知リハビリテーション専門職大学
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