行動リハビリテーション
Online ISSN : 2758-7924
Print ISSN : 2186-6449
逆方向連鎖化の技法を用いた起居動作練習の効果 認知症を合併した重度片麻痺者における検討
岡田 一馬山﨑 裕司山崎 倫佐伯 茂行大森 貴允冨岡 真光
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2014 年 3 巻 p. 37-42

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抄録
認知症を合併した重度片麻痺者に対し,逆方向連鎖化の技法を用いた起居動作練習を実施し,その効果について検討した.寝返り動作は第48病日,起き上がり動作は第61病日から介入を開始した.寝返り動作は4段階,起き上がり動作は6段階に課題分析し,練習中の失敗経験を少なくすると同時に適切な行動に対して必ず賞賛が提示されるようにした.介入において寝返り動作は11セッション,起き上がり動作は18セッション目にそれぞれの動作が自立した.また介入中,運動麻痺や感覚障害,健側筋力,高次脳機能障害に大きな変化は認められなかった.このことから逆方向連鎖化の技法を用いた起居動作練習は,認知症を合併した重度片麻痺者に対しても有効に働くものと考えられた.
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© 2014 行動リハビリテーション研究会
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