抄録
拒否的な言動がみられた脳血管障害患者に対し,タバコを強化刺激とした起立・歩行練習を実施し,その効果について検討した.介入前9~21病日での理学療法参加率は16%であり,この間の起立回数は合計5回,訓練室内歩行は0周であった.介入では,起立,歩行訓練という適切な行動を強化するため,一定の行動に対する報酬として喫煙というルールを設定した.その結果,理学療法への参加率は100%となった.介入開始後のセッション1では100回,セッション2では200回,そしてセッション3の後半には400回の起立が可能となった.ベースラインでは歩行練習は不可能であったが,セッション1では4点支持杖歩行にてリハビリ室10周が可能となった.セッション2ではT字杖にて80周,そしてセッション3の後半にはT字杖にて120周の歩行が可能となった.さらに,これらの訓練量の増加は,強化刺激として付与された喫煙量に比較して大きかった.