KOGANE
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ベトナムからのヒゲコガネ2 新種の記載
小林 裕和藤岡 昌介
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2016 年 2016 巻 18 号 p. 15-26

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抄録
ヒゲコガネ属 (Polyphylla) は,Harris によって北アメリカ産の種をタイプとして1841 年に創設された属である.本属の種は全北区の温帯域を中心に分布し約80 種が知られているが,一部の種はアメリカ大陸では中米に,ユーラシア西部では北アフリカ,アジア東部では東南アジアに分布がみられる.旧大陸のPolyphylla 属の中では,2 つある各肢の爪の,基部下側にある歯状突起は♂♀ともに内側の爪と外側の爪とでほぼ同じ形状を示すものが多いが,一部の種の♂では内側の爪と外側の爪とでは明らかに形状が異なるグループがある.これは, Granida Motschulsky, 1861 及びGrananoxia Brenske, 1890という2 つの亜属の種の特徴である.
Granida 亜属の種は,体上面には淡色の鱗毛からなる模様をもち,上翅には縦縞があるが,時にその縞模様が途切れたり,欠けたり,さらにヒゲコガネのようなまだら模様となることもある.それに対してGrananoxia 亜属の種では単色の淡い褐色に近い体色で,鱗毛による斑紋を欠き,頭部の全体および前胸背板には淡い色の長い直立毛を装うことで区別されている.筆者等が東南アジアを含むアジア大陸並びに極東地域に分布するGranida 亜属について調べた結果,今まで分布の記録がなかったベトナムから2 新種を見出したので新種記載をするとともに,あわせてGranida 亜属の既知種のリストと検索表を作成した.
今回新種記載した,Polyphylla (Granida) vietnamica sp. nov. はオスの前脛節は一外歯(先端歯)であるという特徴をもち,日本や台湾産の大型種に似ているが体は小型で,♂の触角片状部は柄部の約2 倍と短いことなどで区別できる.一方、Polyphylla (Granida) kontumensis sp. nov. は近年ラオスから記載されたPolyphylla (Granida) phongsali Zídek, 2006 に近縁なものと思われるが,前胸背板後縁の形状が明らかに異なること,前脛節は♂♀ともに2 外歯であることなどから区別できる.
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© 2016 コガネムシ研究会
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