2024 年 28 巻 p. 5-20
中小企業が日本経済に占める割合は大きいにもかかわらず、CSR活動およびそれに伴う広報に関する研究は大企業が中心である。そのような中小企業におけるCSRコミュニケーションの研究の蓄積は浅く、先行研究も限定的である。そこで現実に起きている現象から問題の所在や課題を探り、実態を把握するための調査が必要となる。中小企業の業種や規模は多種多様であるが、多くの場合、経営資源は限られ、所有と経営が分離されていない。これらから大企業とは異なるステークホルダーとの関係性や、マンパワーやリテラシー面での課題があると考えられる。本研究ではインタビュー調査を実施し、その結果に基づき現状と課題について考察する。