有効な交通安全対策を構築するには,地域(現場)での交通状況を十分に理解する必要がある.現場を理解した上でドライバー等の行動を把握し,事故のメカニズムを解明する.研究例として,阪奈道路,名阪国道,香川県での研究の概略と成果を解説した.事故事例研究や行動分析を通じて,多くの事故促進要因を抽出した.事故防止のためには,道路構造の改善のみでは限界があり,情報提供の改善(阪奈道路)や休憩施設の設置(名阪国道)等の新たな対策が必要であった.香川研究では,日本全国からの専門家のサポートを受けることができたが,優れた交通事故情報提供システムが不可欠なツールであった.