2019 年 3 巻 6 号 論文ID: e00089
症例は59歳男性。慢性腎不全で7年前から維持透析中。近医入院中の胸部CTで両側肺野のびまん性すりガラス陰影を指摘され,間質性肺炎疑いで当院へ紹介入院となった。下腿の浮腫があり,肺水腫を疑い,透析でドライウェイトを調整したが,画像の有意な改善は得られなかった。胸部CTで異所性肺石灰化症を疑い,経気管支肺生検で肺胞中隔にカルシウムの沈着が確認され,異所性肺石灰化症と診断した。透析患者において,胸部CTで両側肺野にすりガラス状陰影が出現した場合に,異所性肺石灰化症を鑑別として挙げる必要がある。