抄録
生体肺移植は,ドナー肺摘出術,ドナー肺のフラッシング,レシピエント移植手術により構成される。健康なドナー2人から右下葉もしくは左下葉を摘出したのち,バックテーブルで冷却した臓器保存液にて,ドナー肺を順行性,逆行性にフラッシングする。レシピエント手術は,extracorporeal membrane oxygenation(ECMO)下に,右肺摘出,右ドナー肺の移植・再灌流,左肺摘出,左ドナー肺の移植・再灌流の順に行われる。移植手術の吻合は,気管支,肺静脈,肺動脈の順に行われる。本稿では,標準的な生体肺移植における各手術手技を重要なポイントを交えながら説明する。