2006 年 75 巻 1 号 p. 33-36
新規突然変異の油蚕は保存系統No.110姫日(日本種・1化性)からみいだした。この油蚕は催青死卵がやや多い蛾区が見られ,幼虫の4~5齢期に至って少数ではあるが致死する個体を生ずるなど一般的に虚弱である。皮膚の透明度は中度である。この油蚕には正常蚕(非油蚕)が数%発現した。本油蚕について,遺伝子分析を行ったところ既知の油蚕とは異なる新遺伝子により発現される劣性遺伝子であった。これを姫日油(遺伝子記号,ohi)と命名した。次いで,連関検索を行った結果ohi遺伝子は第16連関群に所属することが判明したので,同群のlu ctsを基準に用いて3点実験を行い,その座位を第16連関群30.5cMと決定した。