抄録
外国人留学生が,日本の大学での学習に必要な情報リテラシーを日本語学習と関連させながら習得できるような,教育カリキュラムや教材を開発するための基礎調査として,ITの使用状況やITスキルの習得状況に関する質問紙調査を行った。学部留学生102人のデータを分析した結果,1)PCの操作には慣れている学生が多い,2)情報収集に関するスキルの習得状況が最も高く,また大学での必要度も高い,3)必要度が高いスキルのうち,日本語入力やワープロ文書作成は下級生の習得状況が低く,セキュリティ対策は上級生,下級生ともに習得状況が低いことが明らかになった。これらは日本語が密接に関係するスキルであり,日本語教育の側からの支援も必要だと思われる。