2007 年 23 巻 p. 107-112
本研究の目的は,Visual Basicを用いた初歩のプログラミングにおいて,中学生のプログラム作成能力と知識構造との関連性を把握することである。中学3年生110名を対象に学習指導を実施し,課題プログラムの達成度からプログラム作成能力を,Shavelson&Stanton(1975)のカード分類法により知識構造点をそれぞれ把握した。両者の関連性についてパス解析を行った結果,①制御構造及び演算・式に関わる知識構造がプログラム作成能力の形成に重要な役割を果たしていること,②逆に,Visual Basicのコントロールを活用するための知識構造は,プログラム作成能力に直接的な影響を与えないこと,が示唆された。