抄録
情報系の学科を持つ大学において,ソフトウェアに関わる学習事項は必須的であることが多く,ソフトウェアの設計プロセス,設計手法など実装タスクの上位概念に関わることを学習する。しかし,実際上の問題としてソフトウェア工学に関する学習事項は学生にとっては,たとえ情報系に所属しているとはいえ,高等学校まで学習した事柄との乖離は大きく,なじみが薄い。そこで著者らは新規にアナロジカルシンキングに基づいた教授法を開発した。アナロジカルシンキングに基づく教授法は,(1)類推投影型教授法,(2)セルフロールプレイング教授法,および(3)擬人的思考型教授法の3つの具体的教授法から構成される。この3つの教授法を一貫して利用することにより,学習者の理解の促進を試みる。具体的に,著者が所属する大学における講義後のアンケートデータを示す。