2020年5月18~22日(調査1),2020年8月12~16日(調査2),2021年5月11~15日(調査3)の3度に分けて,大学1~4年生を対象に遠隔授業の学習環境をどのように認知しているか,コスト感,有効性の認知,メタ認知方略との関係を中心に調査した。学習方略の調査手法を用いて調査した結果,コスト感,遠隔授業の有効性,遠隔授業に適したメタ認知のいずれもが,遠隔授業への肯定感に関係していることが判明した。コロナ禍の遠隔授業は経験を重ねるほど,コスト感は高く認知され,有効性の認知も低下し,遠隔授業に適したメタ認知は有効に機能していないことが考えられる。遠隔授業への肯定感はこれらの影響も受けるため,コロナ禍の遠隔授業を経験したことで,遠隔授業への肯定感はやや低下した。