昆蟲.ニューシリーズ
Online ISSN : 2432-0269
Print ISSN : 1343-8794
〈連載〉
「普及・教育の現場から」(1)「むしむし探検隊」事業(倉敷市立自然史博物館)の取り組み
奥島 雄一
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2018 年 21 巻 3 号 p. 185-196

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抄録

倉敷市立自然史博物館では,昆虫に強い興味を持つ小学5年生~高校生を対象とした教育普及プログラム「むしむし探検隊」を始めて17年になる.昆虫に対する興味を継続し,深めてもらい,将来,昆虫学を通じて社会に貢献できる人材の育成につなげることを目的としている.

隊員は,1年間を通じて同じメンバーで活動し,野外探検(昆虫採集),飼育・観察や標本作製,雑誌への投稿,博物館での展示・普及行事への参加・発表会といった一連の体験を通して,同志たちと交流を深めつつ,昆虫に関する知識と技術を学ぶ.野外探検に保護者は同伴せず,隊長を務める昆虫担当学芸員とボランティアスタッフが同行する.

これまでに総計83名が参加し,参加者の半数以上が2年以上隊員を継続している.高校生時に在籍した隊員は15名おり,その内の12名が生物系または環境系の大学へ進学している.さらに,内6名は社会人となった現在も仕事やアマチュア研究者として昆虫との関わりを継続している.

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© 2018 日本昆虫学会
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