2023 年 26 巻 2 号 p. 49-57
島根大学に標本が収蔵されている日本産コンボウヤセバチ類の寄主,訪花植物および分布を報告した.オオコンボウヤセバチGasteruption japonicum Cameron, 1888の寄主としてスミスメンハナバチHylaeus(Nesoprosopis)floralis(Smith, 1873),ヨーロッパメンハナバチH.(N.)pectoralis Förster, 1871,ニッポンメンハナバチH.(N.)transversalis Cockerell, 1924)(ムカシハナバチ科)およびオオジガバチモドキTrypoxylon malaisei Gussakovskij, 1933(ギングチバチ科)を初めて記録した.ヒメコンボウヤセバチG. boreale(Thomson, 1883)の寄主としてスミスメンハナバチとニッポンメンハナバチを初めて記録した.ミナミヒメコンボウヤセバチ(新称)Gasteruption sinicola(Kieffer, 1924)を西表島産の標本に基づき日本から新たに記録した.日本から5例目となるクボミコンボウヤセバチG. oshimense Watanabe, 1934を島根県から記録した.12科19種の植物を日本産コンボウヤセバチ科の訪花植物として記録した.日本産コンボウヤセバチ科の生態について考察した.