日本蚕糸学雑誌
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土壌ご桑樹の收量について
太田 安澄井出 智
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1950 年 19 巻 4 号 p. 343-348

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抄録

1) 12種類の土壤をPotに充填し桑苗を栽植し, 礫, 粘土, 腐植の量と桑樹の收葉量との関連を調べた。
2) 礫に富み, 腐植含量中位の埴壤土が最も收量が多い (第1群F, B, I)。
3) 腐植の少い壤土, 埴壤土これに次ぐ (第2群L, D第4群E)。
4) 礫少く腐植に頗る富む軽埴土及び軽埴壤土は最も劣る (第3群A, K)。
5) 腐植に富み且つ礫に富む埴壤土は收量中位にある (第4群H)。
6) 腐植に富む細埴土であつても心土に礫を含む場合は植生を有利ならしめる (第4群C)。
以上の結果より, 礫に富むものは一般に收量多く, 腐植に富むものは少い。但し各土壤共粘土含量の多い事を看過してはならない。而して第4群のG, Jの如く当然第1群に属すべき土壤構成を持つて居りながら收量の下廻るのは, 土壤膠質物, 氣象條件の感受性等諸條件の影響が異るためと思はれ, 今後の研究を要する点である。

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